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森 達也/草思社 |
作り手だからこそ書けたドキュメンタリー論 |
「映像作家の森達也さんがドキュメンタリーについて書いた本。現場にいる人だからこそ言える意見が生々しく書かれていて、興味深く読みました。著者がこの本で言っている「公正中立な視点とは危うい神話でしかない」という主張は、すごく説得力がある。森さんは映像作品の「A」で最初に知ったけど、本のほうもどれも面白いですね」 |
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恒川光太郎/角川書店 |
ただ怖いだけのホラーとはちょっと違う |
「ホラー小説が好きで、ホラー小説大賞の受賞作はだいたい手に取ります。この作品は、お祭りの裏の怖さみたいなものが書かれていて、ちょっとノスタルジックな感じ。ファンタジーの要素もあって、ただ怖いだけのホラーとはちょっと違いますね。海外のホラーはあまり読まないんですが、怖さの感覚って日本人同士だからこそ共有できるのかも」 |
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林 真理子/新潮社 |
バブル時代を思い出させてくれます |
「バブル時代に魔性の女と言われた人のお話です。僕たちが遊んでいた場所とは違うところが舞台なんだけど、出てくるお店や人が微妙にクロスしていて、懐かしさを感じると同時に、実際こうだったんだと改めて知ったことも多かったです。林真理子の小説は初めて読んだけど、読みやすくてすごく面白かったですね。他の作品も読んでみようかな。」 |
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中村希明/講談社現代新書 |
流行り廃りがない時代になったのかも。 |
「最近“リバイバル感”がなくなったと思うことが多くて、だいぶ前に買ったこの本を思い出しました。デマやうわさ話がどう伝播するかを心理学的に分析した本です。トイレのハナコさんやこっくりさんって昔からある話だけど、微妙に姿を変えながら残っている。ここ10年くらいあらゆる流行が廃れずに残っているのも、見えない情報のコミュニティみたいなものが存在するからなのかなと」 |
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吉岡 忍/ちくまプリマー新書 |
吉岡さんの作品らしい、読ませるノンフィクション。 |
「今年の初めに吉岡さんからいただきました。過疎化や高齢化に苦しむ村の再生の過程を描いたノンフィクションです。吉岡さんのノンフィクションは好きでよく読むのですが、この本も考えさせられる内容で一気に読みました」 |
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「最近はノンフィクションとフィクションの境界があいまいになってきた気がします。読んだからってその問題に取り組むわけでもないし、読者もノンフィクションをフィクションとして受け取っている部分もあると思う。いずれにしても、2006年はやっぱり良質なノンフィクションを読みたいですね。題材にしてほしい事件も山のようにあるから…」 |
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