THINK PIECE > Hack The World !
PHOTO PHOTO
  < PREV  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | NEXT >
 
資本主義そのものが、もう限界。
 
── 話が飛びますけれど、オイルマネーということで言えば、ドルの価値を実質的に担保しているのは、中東のオイルだと思うんですよ。ただグリーン革命って、石油燃料に対する依存の比率を下げていこうという発想ですよね。そうすると、石油とともにドルの価値もそこから崩れる。
 
T: 「まさにその通りで、石油産業が軸にならないわけですね。今までのアメリカは石油持ち、すなわちテキサスのエラいヤツ、要はブッシュみたいなのが大統領になってきた。そして景気に息詰まると、公共事業として戦争をする。軍需産業も全部そこがベースになっていたわけですが、この構造が崩れると、ドルの価値ってどんどんどんどん崩れていきますよね。代わりに、相対的に上がっていくのがユーロなわけですよね。現在は、そうなっていますが、それはあくまでも相対的なことであって絶対ではありません」
 
 
── ユーロというのも基軸通貨としてドルの代替になるには、不安定だということですね。
 
T: 「ユーロが安定してることのほうが不思議です。北欧の国々と地中海の小さな島では、すべてがまったく異なります。でもユーロなんです。このことからも感じるように、民主主義より資本主義が各国上層部では上位概念になりつつあり、もしかしたらそれはいまピークを迎えているのかもしれません。資本主義そのものが限界ですよ。石油でも森林でも不動産でも、もともと誰のものでもないはずだったものを換金してることが問題になってきてるわけですね。どうもジワジワと自分の首絞めているというのが、皆ちょっとずつわかってきました。
さあ、どうする?どうする?が、いまの世界です」
 
 
 
── とはいえ、東京は不動産バブルやアートバブルが続いてるわけで。
 
T: 「いま不動産やアートを買う行為がカッコ悪いですね。なにも知らない呑気な人か、物欲の権化。僕はやや後者(笑)。だから、本当によくわかります。もうお判りになったと思いますが、有限である資源と、無限に印刷できるお金とのバランスが重要なんです。僕はこのインタビューでももっともらしいことを言ってますが、学者ではなくクリエイターです。だから、作ったところからはじまります。いま作っているものは電力会社で、これがもしうまくいったらその次は銀行を作るでしょうね。自分でやってみて、資源とお金の関係がやっと理解できるんだと信じて行動してます」
 
 
── それは地域通貨の発行みたいなものですか?
 
T: 「もう地域通貨という言葉がカッコ悪いですね。田舎マネーみたいで(笑)。まあ、今の世界的規模のグローバリゼーションの経済や貨幣ではなくて、もっとポスト資本主義的な物かもしれませんが、それは僕50代のクリエイターとしての楽しみに取っておきたいと思います」
 
 

  < PREV  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | NEXT >
THINK PIECE >Hack The World !

www.honeyee.com

top