── 話が飛びますけれど、オイルマネーということで言えば、ドルの価値を実質的に担保しているのは、中東のオイルだと思うんですよ。ただグリーン革命って、石油燃料に対する依存の比率を下げていこうという発想ですよね。そうすると、石油とともにドルの価値もそこから崩れる。 |
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T: |
「まさにその通りで、石油産業が軸にならないわけですね。今までのアメリカは石油持ち、すなわちテキサスのエラいヤツ、要はブッシュみたいなのが大統領になってきた。そして景気に息詰まると、公共事業として戦争をする。軍需産業も全部そこがベースになっていたわけですが、この構造が崩れると、ドルの価値ってどんどんどんどん崩れていきますよね。代わりに、相対的に上がっていくのがユーロなわけですよね。現在は、そうなっていますが、それはあくまでも相対的なことであって絶対ではありません」 |
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── ユーロというのも基軸通貨としてドルの代替になるには、不安定だということですね。 |
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T: |
「ユーロが安定してることのほうが不思議です。北欧の国々と地中海の小さな島では、すべてがまったく異なります。でもユーロなんです。このことからも感じるように、民主主義より資本主義が各国上層部では上位概念になりつつあり、もしかしたらそれはいまピークを迎えているのかもしれません。資本主義そのものが限界ですよ。石油でも森林でも不動産でも、もともと誰のものでもないはずだったものを換金してることが問題になってきてるわけですね。どうもジワジワと自分の首絞めているというのが、皆ちょっとずつわかってきました。
さあ、どうする?どうする?が、いまの世界です」 |
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