── 日本的な「何事もほどほどに」が通用しない時代が来た、と。 |
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「それが、2001年の9.11以降、世界がいっきにグローバリゼーションに傾くわけですね。僕の友人の多くは、80年代後半に台頭してきたストリート・カルチャーの精鋭です。ストリート・カルチャーは、白人と黒人文化が、はじめて融合したところにダイナミズムがあります。そしてグローバリゼーションは、あらゆる人種を混合させたところが、面白さなのです。きっかけはやはりイデオロギーで、東西ベルリンの壁の崩壊があったりとか、ITの発達とかが、当然あったのですが、目に見えて変わったのはここ5年ですよ。ここ5年で世界の大再編が起きたんです。その時に、日本はついて行けなかった。ひきこもっていた。その結果というのが世界基準での競争力の低下であるわけで。これから10年、さらに世界的な変化が訪れますから。いや、10年じゃない、5年でもっと変わる。ここで世界について行けるかどうか。現状だと多くの人は正直難しいと思います。お金の問題じゃなくて、認識の問題が大きいですね」 |
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── ただ、グローバリズムという問題を前にしたときに、ちょっと捉え方が混乱してしまうのは、国家単位でのサバイバルを考えた場合、日本の国際的な地位や競争力を高めるには、ある種の国家主義みたいなものを発動させた方が良いのではないか、という考え方もあると思うんです。例えば中国やロシアは経済成長も目覚ましいし、国際的なプレゼンスも大きくなっている。ただ、その陰には、一党独裁の強権政治があって、貧富の格差がどれだけ広がろうが経済改革をやれるところまでやっちゃえるし、軍事力もどんどん増強して、国際政治の駆け引きでも強気に出て行って、国内の反体制勢力も容赦なく潰していく、みたいなのがあるじゃないですか。これを良しとするか。僕は嫌だなと思うんですよ。個人的にはそういう日本になって欲しくない。そうなると、やっぱり個人の問題に還元してもらえないと困るんです。 |
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T: |
「すでに国家主義に近い状態ですよね? 多くの人が望んだ人が総理大臣になっているのでしょうか?先に話しました郵政民営化は、本当に多くの人が切望したことなのでしょうか? |
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