THINK PIECE > CRUE-L FUTURE
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瀧見: 80年代は堤帝国が文化芸術に金を投資して、セゾン文化があったわけじゃん。
いきなりノイバウテン呼ぶとか。そういうのって、いま考えるとデカいと思うんだよね。
はったりの効かせ具合とか。そのポストモダンの焼け野原からバブルを経て、
市場原理主義的なリバタリアニズムはどうなってんのって感じで。
野村: 俺の同い年くらいで金持ってるやつらがもうちょっとそういうことに金を使ってくれればいいのに。
金を持つと上の世代と同じことをするからな、結局。
瀧見: 最近の金持ちのセンスが悪いっていう話なの(笑)自分の身の回りがよけりゃいいっていう。
野村: こないだもそういう話をしてたんだけど、ロンドンとかだと金持ち向けに何十万だか何百万だか
払わないと入れない会員制のクラブがあるんだけど、
そこのパーティのDJがWARPの新人や新進気鋭のアバンギャルドな人だったり、
どう考えても、金持ちがお洒落にシャンパンって音じゃないんだけど、
そういう音楽に興味を持つ金持ちっていうのがいて、ちゃんと成り立つ。
東京だったら金持ったらクラブでホステス遊びでしょ?
近年の不況下にある音楽業界は、同時に音楽配信を含めたビジネス・モデルの変革を迫られつつあり、その一方でリリースされる作品の保守化傾向を強めつつある。そんななか、過去を振り返らず、常に新しいものを提示するCRUE-Lはノルウェイの新世代クリエイター、リンドストローム&プリンス・トーマスをリミキサーに起用する一方、SPIKEWAVEやFRAN-KEY、No Maといった新人アーティストを積極登用。アナログ・リリースも積極的に行い、現場の活性化にも努めてきた。そんなチャレンジングなレーベルのスタンスは未発表新曲/ヴァージョン/初CD化曲を多数収録した最新作『CRUE-L FUTURE』にも色濃く反映されているが、果たして、レーベル・オーナーの瀧見が抱くヴィジョンとは?
─── しかし、レーベル運営を続けて15年。正直、こんなに続くと思ってました?
瀧見: 全く思ってなかった。
野村: 2、3年、ぱっとやるのはすごい簡単だと思うけど、15年続いてるのはすごい。
考えてみると、自分の趣味が考えられないくらい違うじゃん、15年って?
髪型から着てる服から聴いてる音楽、飯も違う、指紋も違いますっていう位
人間って変わるじゃないですか?そういうなかでずっと続けていくのはミラクル。
─── その点、瀧見さんは自分の嗜好の変化をレーベル運営を通じて正直にやってきた結果がCRUE-Lの15年ですよね?
瀧見: う〜ん……
野村: はははは。
瀧見: あと、何年か周期で面白いやつに会うじゃん。ハーヴィーとかイジャット・ボーイズもそうだし、
今だとリンドストロームなんか、ノルウェイで彼らなりに頑張ってCRUE-Lのレコードを買ってて、
「これとこれは持ってるんだけど、これがないから欲しい」って言われたら嬉しいじゃん。
そういうやつらが世界中にいてくれるのはレーベルをやるうえでは力になってるよね。
野村: 同じ価値観の人達は確実にいるし、国籍云々ってことは関係ないっていう。
それはグローバリゼーションってヤツの数少ないいいとこですな。
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