THINK PIECE > CRUE-L FUTURE
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オリジナル/フォロワー、レーベル/カンパニー、ファッション・ロック/予備校生風自称ロック……リリース・タイトルの爆発的な増加と共に評価軸が崩壊したスーパーフラットな音楽シーンにあって、かつて、明確にあったメジャー/アンダーグラウンドの境界線も錯綜し、曖昧化している。ことCRUE-Lに関しても、インディペンデント・レーベルでありながら、15年運営を続けてきた成果といえる知名度の高さ、視点によって浅くも深くも楽しめる作品内容はメジャー/アンダーグラウンドの2元論を超越しており、そんな彼らが考える理想的音楽ビジネスの在り方を問題提起してみた。
─── かつて、アンダーグラウンドとか、サブカルチャーがそれ自体、
付加価値になってた時代があったわけですけど。
瀧見: 今は幻想でもそう思いこめるものが少ないっていう。
権威というかオーソリティーになびきがちなんじゃないの。セレブとか市場功利主義的な。
野村: 大体、今、情報を探すのが楽しいってことがないじゃないですか。
そういう探す過程の楽しみがなくなったら、もはや、価値観もクソもないっていう。
─── 情報のアーカイブ化による弊害ですよね。
そういう意味で、いいか悪いかは別として、アンダーグラウンドっていうものはどう存在しているのか。
それとも存在していないのか。あるかもしれないけど、それは僕らが思っている形じゃないのか?
瀧見: アンダーグラウンドね。言葉的には美化されすぎって感じ。
メジャーに対する裏ではない何かなんだけど。
最近の流行り言葉でいうと、ロングテールの部分?まぁ昔でいうサブカルみたいなもんでしょ。
野村: でも、誰と話しててもそうだけど、理想はそれでしょ。
実は売れちゃってるんだけど、イメージはアンダーグラウンドっていう。
だけど、そういうのって関係ないかも。枚数が少ないとか、
数が少ないからアンダーグラウンドかっていうと、そういうことはないし、
もし、CRUE-Lのアルバムが200万枚売れたらコマーシャルかっていうと、そういうことでもないし。
今は単純に分けられないじゃないかな。そういう括りを外した形でものを紹介していかないと、
もはや見てもらえないでしょ。
メジャーの中にもアンダーグラウンドなものはあるし、いいものはいいっていう、
そういう価値観みたいなもの、その切り口をこっちで考えたいなっていう。
─── それこそ、CRUE-Lが始まった頃は、アンダーグラウンドであるとか、誰も知らないということ、
それ自体、価値を持っていたわけで、そういうものの見方がこの15年で変わっていったし、
それとともにアンダーグラウンドであるっていう、それ自体を本質だと思ってしまった人は
消えていったんだと思うんですね。
瀧見: そうだね。結局サブカルって、ビジネス的な成功がないと成功したって言えないっていうか。
サブカルっていうことだけでやっていくと単なるマイナーになる場合が多いんじゃないの。
ビジネス的にも考えないと続かないからさ。
今だと直接手でさわれるものが強くて、形の見えないものや即効性がないものは弱いよね。
今って、評価軸がいくつ売れててどれくらい露出できて儲かってるかっていう、量の問題になっちゃってるじゃん。
そうじゃない基準とか価値もあって、量の基準もあるんだったらまだいいんだけど。
野村: それは海外も一緒で、ビデオ・クリップ作ってるやつも仕事がすごくキツイって言ってて。
バジェットがあるのは売れてる人たちだけで、しかも、オンエアされるのもそういう人たちだけだから、
作っても無駄っていうことになって、低バジェットで面白いことをやろうっていう
アーティストがいなくなっちゃったって。今はモノが多すぎて、例えば、どこかの山奥に住んでいたら、
雑誌を見ても、何がいいのか絶対分からないし、よく目にするものがいいんだと思うだろうし。
そうじゃないんだよっていう説得力もないっていう。
ただ、たくさん金をかけないと売れない、みたいな風潮は寂しくないですか?
例えば、宣伝費に1000万かけたから、2000万売れる、みたいなことだけど、
結局、1000万かけないと売れないのかっていう。
でも、音楽に限らず、ブランドにしたってなんにしたってそうじゃないですか。
もはや個人でやるものじゃなくなってきてるし、資本力があるところが勝つっていう。
ただ、大企業がよくないとも思ってなくて。そういうところから「なんか面白いことをやりたい」っていう
連絡をもらったりもするんだけど、金を持ってるんだったら、もっと、面白いことにお金を使って、
サポートして欲しいっていう。音楽に関しても、外タレ呼ぶのが全てじゃないと思うんですよ。
まぁ、でも、結局、そうしないとクラブに客が入らなかったりだとか、そういう歯車なんだと思うんだけど、
1回そういう歯車になっちゃうと、そこから変わるのが大変なのかなって。
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