K: |
『PHILOSOPHY』でやろうと思っていたことは、自分たちが影響を受けたものは、何が楽しくて、何が格好良くて、なんでそう思ったのかを、探ること。いつも話をしていると禅問答みたいになっちゃって、答えは出てないんだけど、TET的に一言でまとめると? |
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T: |
10代のときには、凄く自信に溢れていて、自分の考え方で自分の表現をしている人が、格好良い人だったと思う。それがたまたまスケーターであり、ユースカルチャーだったんだろうね。けど実のところ本当のそれは精神的な部分が年相応になったときに、格好良さというのは滲み出るかなと思っている。だから、当時の格好良いと、今の格好良いの基準は微妙にズレていてる。要はバランスの取れているひとが格好良い人だと思う。 |
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K: |
でも、普段いろいろ見ていると、何が好きなのかを見失うよね。物が多過ぎて。たまに『PHILOSOPHY』みたいな作業をすることで、思い出すというか、昔の服を引っ張り出したり。やっぱり今の時代で、スケートとか自転車が格好良いのかっていうのは、俺らが今の時代で育っているわけじゃないから、わかんない。自分たちが若かった80年代というのは、いろんな動きがあったし、面白かったんだよね。 |
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R: |
自分は80年代はスケートボードしか見てなかった。そのなかで何を格好良いと思ったかと考えると、難しいトリックができることではなくて、スタイルというか。動き、着こなし、音楽、まぁいろいろ。技術とは違う“何か”に惹きつけられていた。 |
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T: |
スタイル、つまり表現だよね。表現することは場合によっては恐いことだから、批判もあるし、孤立する可能性もある。そんななか表現をすることから逃げない人というのは、今で言う格好良うとか好きな人の基準なのかもしれないね。 |
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R: |
トミー・ゲレロを見ていると、例え簡単なトリックでも、それを自分の引き出しとして大切にしていて、独自の流れのなかで出してくる。 |
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K: |
そういうのを今でも持てるか、持てないか、というのは重要だよね。年を重ねると、そういう細かい部分まで見なくなってくるし。ちなみに今回のトークショーでは、テーマは“Concrete Environment”だけど、どういう理由で? |
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