THINK PIECE > PHILOSOPHY ZINE TALK SHOW
PHOTO 「Philosophy」として最後の言葉。
  < PREV  | 1 | 2 | 3 | 4 | NEXT >
 
K: いろんな人に出てもらったり、こういうことが『PHILOSOPHY』でやりたかったことだと思うんだけど、やっぱり全体的に80年代の話が多くなる。
 
T: 結局、年代が近いというのがあるよね。いわゆるユースカルチャーであって、メインストリームではないところでカルチャーを築いていた人たち。自分たちで築いたカルチャーを底上げして、メインストリームに切り込もうという姿勢が、共感する部分なんじゃないかな。アーロン・ローズなんか特にそう。
 
K: アーロン・ローズはNYでギャラリーをやっていて、売れない頃のマーク・ゴンザレスとか取り上げたりしてて、来年にはそのドキュメンタリー映画もやるんだけど。売れる前からそういう場所を作って、世に認めさせたのは凄いよね。売れてから良いって言うのは簡単だからね。
 
R: パンクやスケートをやっているような、街の社会からハズされているような人たちの作品に注目して、自分でギャラリーを作って、紹介して、価値を高めていった。
 
T: 言葉の意味合いは違うけれども、『アウトサイダー・アート』みたいなもんだよね。自分たちのコミュニティを率先して社会に出していこう、という。取材した彼らは、そういったカルチャーのルーツの人たち。
 
 
 
K: 『PHILOSOPHY』でやろうと思っていたことは、自分たちが影響を受けたものは、何が楽しくて、何が格好良くて、なんでそう思ったのかを、探ること。いつも話をしていると禅問答みたいになっちゃって、答えは出てないんだけど、TET的に一言でまとめると?
 
T: 10代のときには、凄く自信に溢れていて、自分の考え方で自分の表現をしている人が、格好良い人だったと思う。それがたまたまスケーターであり、ユースカルチャーだったんだろうね。けど実のところ本当のそれは精神的な部分が年相応になったときに、格好良さというのは滲み出るかなと思っている。だから、当時の格好良いと、今の格好良いの基準は微妙にズレていてる。要はバランスの取れているひとが格好良い人だと思う。
 
K: でも、普段いろいろ見ていると、何が好きなのかを見失うよね。物が多過ぎて。たまに『PHILOSOPHY』みたいな作業をすることで、思い出すというか、昔の服を引っ張り出したり。やっぱり今の時代で、スケートとか自転車が格好良いのかっていうのは、俺らが今の時代で育っているわけじゃないから、わかんない。自分たちが若かった80年代というのは、いろんな動きがあったし、面白かったんだよね。
 
R: 自分は80年代はスケートボードしか見てなかった。そのなかで何を格好良いと思ったかと考えると、難しいトリックができることではなくて、スタイルというか。動き、着こなし、音楽、まぁいろいろ。技術とは違う“何か”に惹きつけられていた。
 
T: スタイル、つまり表現だよね。表現することは場合によっては恐いことだから、批判もあるし、孤立する可能性もある。そんななか表現をすることから逃げない人というのは、今で言う格好良うとか好きな人の基準なのかもしれないね。
 
R: トミー・ゲレロを見ていると、例え簡単なトリックでも、それを自分の引き出しとして大切にしていて、独自の流れのなかで出してくる。
 
K: そういうのを今でも持てるか、持てないか、というのは重要だよね。年を重ねると、そういう細かい部分まで見なくなってくるし。ちなみに今回のトークショーでは、テーマは“Concrete Environment”だけど、どういう理由で?
 
T: コンクリートの環境が整った、こういう場所でやれることは限りなく無限にある。バンクと見立てて、スケートボードをするのも良いし。環境を1つの固定概念に捕らわれずに、使い方を模索しながら、やっていく表現ということで“Concrete Environment”というテーマにしたんだよね。
 
K: 自分たちにとって好きな物って、コンクリートのある環境で生まれてきた。スケートボードも、音楽も。そういう環境のなかで、無理してロハスをうたうのではなく、その環境を受け止めたうえで、自分の好きなものを追求していこう、そういう意味もあるのかな?
 
T: そうだね。ripと僕で車に乗ってるときに、昔のスケートスポットというか、ハンドレールの場所の話題になって。ハンドレールを使って遊ぶように、環境を違う角度から見ること、アレンジすることが重要なんだよね。そこがスケートボードの好きな部分であり、感心するとこなんだよね。僕のなかで料理とかも共通する部分があるんだけど。
 
K: 唐突だねぇ(笑)
 
T:

献立を組むのではなく、冷蔵庫の中身を使ってしまおう、この材料で作っちゃうんだ、みたいな。僕のなかで料理ができるってクリエイティブだと思うんだよね(笑)

 
 

  < PREV  | 1 | 2 | 3 | 4 | NEXT >
THINK PIECE > PHILOSOPHY ZINE TALK SHOW

www.honeyee.com

top