THINK PIECE > PHILOSOPHY ZINE TALK SHOW
PHOTO 「Philosophy」からの最後の言葉。
  < THINK PIECE TOP  | 1 | 2 | 3 | 4 | NEXT >
 
WTAPSのデザイナーである西山徹の表現の場所として2003年にショップとしてスタートした『PHILOSOPHY』。クローズ後はフリーペーパーへと変貌を遂げ、9月に配布された通算5冊目の第4号が最終号となった。第4号の発刊を記念してタワーレコード渋谷店7Fタワーブックスで行われた、トークショーの模様を完全収録。『PHILOSOPHY』としての最後の表現を見届けてほしい。
 

持田剛「僕はタワーレコードの7Fにあるタワーブックスのフロアチーフをしていまして、『PHILOSOPHY ZINE』ではブックレビューを担当していました。まず、TETさんや訓市さんとの馴れ初めから、お話しをさせていただきます。TETさんと最初に会ったのは、『PHILOSOPHY』という本屋をやるから、協力してくれないか、というお話しでした。そのときの第一印象は、かなり固い人というか、ちょっと恐い感じの印象で、逆に軽くないという意味で好感を持ちました。今後の仕事も気持ちよく、できそうだなと。『PHILOSOPHY』というショップを2003年にオープンをしたときに、本のディストリビューションで協力してほしいとのことで、それから交流するようになりました。

 

結局、仕事として『PHILOSOPHY STORE』にご協力はできなかったんですけど、原宿に遊び行くたびに、お店を覗くようになっていたんです。そのときに並んでいた本のことをよく憶えていて、サブカルチャーやアート関係の本よりも、ソーシャルサイエンスだったり政治思想に近いものが並んでいて、その色気の無さに驚いたんです。で、ショップを閉じて、フリーペーパーとしてリスタートしてから、協力させてもらうようになって、今にいたります。
実際に『PHILOSOPHY ZINE』を見ていると、とても身の丈に合ったというか、TETさんやその周りの人々が、大事にしているものをメディアで表現している。洋服の告知はまったくないし、最新の情報やトレンドもまったく載っていない。著名な方々の寄稿にしても、TETさんの企画意図に賛同しているからこそだし。TETさんたちのありのままが描かれ、常に彼らにとっての“ベスト”が表現されてきた。読み手にとっては期待外れな部分もあったかもしれないけど、重要なのは彼らのありのままの正直なスタイルが貫かれていたこと。高度市場経済である今の時代に、ここまで自由なメディアがあることが凄いなぁ、と。

彼らのメッセージとしては『ありのまま自由にやってきた』『僕たちはここにいます』、そういった気持ちのすべてが込められていいたんだと思います。

それでは、ここでTETさんと訓市さんをご紹介します」

 
 
 
 
野村訓市(以下K)
  まずは自己紹介から。僕が野村の訓市です。
 
西山徹(以下T)
  西山徹です。
 
K: あの、今日はあまり固い感じではなくて、いつも2人で話しているような、ゆるい感じでやれたらなと思っています。今回は『PHILOSOPHY ZINE』が終わるので、作ってきた理由や最終号のテーマに関して話していこうかなと。
 
T: 遡ること、4年くらいかな。2003年に『PHILOSOPHY』というお店がありまして。このお店を始めるにあたって、さきほどの持田くんにアドバイスをいただいたり、訓市にも本のセレクトを頼んだり、そんな感じで始めた場所でした。始める前の自分は、精神的に相当疲れてたんですが、うちの社長の計らいで、僕がそこで何か表現できればという場所として与えられたスペースだったんです。そのときに自分に必要だったものが、本であったり、いわゆるユースカルチャーだったり、好きだったもののルーツを探ることだったんですよね。いわゆるあそこにあったものだった訳です。」
 
K: なんでジンになったの?
 
T: 表現をパッケージとして紙媒体に落とし込むことで、分かりやすくなるし、置いとくだけで誰かが読める。表現として、紙媒体として、フリーペーパーでやっていこうかなと。店という形が終わって『PHILOSOPHY ZINE』という名前になり0号目では店の話をしつつ、最終号の4号目では総括的な内容になっていて。結局、振り返って見ると、自分なんですよね(笑)
 
K: 好きなものをちゃんと振り返る時間を作ることで、自分の好きなことが再認識できて、忘れてたことを思い出したりもできた。それだけでもかなり価値のある時間だったんじゃないかな。最終号の4号では『PHILOSOPHY ZINE』としてやってきたことが、全部重なった内容になってる。テーマの“RISE ABOVE”は?
 
T: 最後の号にも書いてるけど、捉え方としては“乗り越える”という意味。全部で5号、フィフスエレメントが終わったというか。自分としては“乗り越える”という言葉が一番しっくりきたんだよね。さっきも言ったように、『PHILOSOPHY』は自分のことだなと思って。お付き合いしてもらったみなさんは大変だったと思うけど、総括してみると自分の表現だったんだなと。
 
 

  < THINK PIECE TOP  | 1 | 2 | 3 | 4 | NEXT >
THINK PIECE > PHILOSOPHY ZINE TALK SHOW

www.honeyee.com

top