結局、仕事として『PHILOSOPHY STORE』にご協力はできなかったんですけど、原宿に遊び行くたびに、お店を覗くようになっていたんです。そのときに並んでいた本のことをよく憶えていて、サブカルチャーやアート関係の本よりも、ソーシャルサイエンスだったり政治思想に近いものが並んでいて、その色気の無さに驚いたんです。で、ショップを閉じて、フリーペーパーとしてリスタートしてから、協力させてもらうようになって、今にいたります。
実際に『PHILOSOPHY ZINE』を見ていると、とても身の丈に合ったというか、TETさんやその周りの人々が、大事にしているものをメディアで表現している。洋服の告知はまったくないし、最新の情報やトレンドもまったく載っていない。著名な方々の寄稿にしても、TETさんの企画意図に賛同しているからこそだし。TETさんたちのありのままが描かれ、常に彼らにとっての“ベスト”が表現されてきた。読み手にとっては期待外れな部分もあったかもしれないけど、重要なのは彼らのありのままの正直なスタイルが貫かれていたこと。高度市場経済である今の時代に、ここまで自由なメディアがあることが凄いなぁ、と。
彼らのメッセージとしては『ありのまま自由にやってきた』『僕たちはここにいます』、そういった気持ちのすべてが込められていいたんだと思います。
それでは、ここでTETさんと訓市さんをご紹介します」
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