「以前に書きためていた曲も、今、歌うとなると作ったときと気持ちが変わっているんですよね。逆に改めて聴いてみて『こういうことだったのか』って自分で気づく部分もあるし。それこそ(3rdシングルの)“君の優しさ”とか、私のなかでも一番古い曲だったから、作った時とはモノの考え方も随分変わってるんですよね。音楽面で言うとアレンジもガラッと変わったし。この曲のプロデューサーの☆Takuさん(☆Taku Takahashi)は『どんな、気持ちで作ったの?』とか『やっぱりストリングスが合うよね』とか、いろいろと訊いてくれて。元のアレンジはギターとドラムが中心のシンプルなものだったんですけれど、完全にバージョンアップされたと思います。カップリングの“あいのうた”は逆に新曲で、デビュー直前に作り始めた曲。今までとは違うレゲエ調で歌いかたも私のなかでは、かなり変えてるんです。家族とか友情も含めた、人との出会いとか繋がりみたいなものがテーマ。恋愛というよりもっと大きな愛ですね。というわけで、曲だけでなく自分自身もバージョンアップしているかな、と思いつつ(笑)」
すでにその才能を発揮している鮎瀬 梢。だが、それはまだ、生まれたばかりであって、これからより大きく成長していくはずだ。私たちは幸運にも彼女の成長過程をリアルタイムで目にすることができるのだ。
「何を、誰を目指すというのが、特にないんです。ひとつひとつが、たとえばライブにしても“これはやりたくない”とかはすぐに思いつくけれど、“こうありたい”という確固たるものはまだすぐには言えない感じで。ただ、抽象的ですけれどキラキラした雰囲気のなかでしっかりと自分らしさを持ち続けたい、っていうのはありますね。ただ、イメージとかヘンにこだわること無いのかなって思ってます。自分に正直に曲を作っていけたらいいのかなって」
傑作シングルを連発する話題のニューカマーは今この瞬間も進化、成長を続けている。 |