Mr Freedom:
Tommy Roberts - British Design Hero
ブリティッシュ・デザイン・ヒーロー、トミー・ロバーツ。
12 10/15 UP
text: Andrew Bunney translation: Mayumi Horiguchi

- A
- 「『トム-トム』がオープンしたのはいつですか?」
- P
- 「『トム-トム』がスタートしたのは1995年だね。忘れられた仕事を再び人々に提示し、再評価されることが目的だった。興味深いことに、彼はその当時のムーヴメントに夢中になってしまったんだ。その当時流行っていたムーヴメントは "ブリット・ポップ" で、ノエル・ギャラガー(元オアシス/現ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ)やパトリック・コックスといった顧客がやってきた。彼らのような、90年代におけるビッグネームは、全員『トム-トム』の顧客だったのさ。ユーリズミックスのメンバーであるデイヴ・スチュワートは、フランスにある家に『トム-トム』の家具を設置した。でも結局のところ、『トム-トム』は彼にとってはあまりにも小規模なものだったので、息子のキースと共に『トゥー・コロンビア・ロード』をオープンすることにしたんだ」
- A
- 「今現在、彼はどうしているのですか?」
- P
- 「彼が始めた店である『トゥー・コロンビア・ロード』は、今は息子が切り盛りしている。本の中で、クリス・ブロードがこのエリアにおいて彼が果たした貢献について語っているね。アートとしての家具についてのアイデア、それらの鑑賞および蒐集、デザインの鑑賞を援助したことがそれだ。つまり、『トゥー・コロンビア・ロード』がそれを実現しているというわけさ」

- A
- 「トミーが世に放ったネットは、どれくらい幅広いものだったのでしょうか?」
- P
- 「ストリート・ファッションを取り入れることによって、ファッションというものの概念をはっきりと変えてしまったと思う。我々が言うところの婦人服業界とハイストリート・ファッション・ビジネスを根本的に変えてしまった。彼の仕事は、ハイファッションの世界にさえも浸透していた。ある程度までは、クチュールにさえも影響を与えていたんだ。彼は英国という国を、すっかり世俗的な場所に変えた人々のうちのひとりと言える。僕としては果たした貢献にもかかわらず、過小評価されていると思っている。彼は戦後の英国を象徴する人物なんだからね。その多くは彼があまりにも大胆だったことに関係している。きみは、羽根付きの靴を履けるかい? 加えて、英国人としての背景を持っていない人々の方が、彼の業績を評価していることが明白なんじゃないかと思うね。日本人のデザイナーなんかがそうだよね。例えば、山本(耀司)は、常に『ミスター・フリーダム』について語っているんだから」
- A
- 「今じゃ、システムも全然変わっていますからね」
- P
- 「この手のことは可能だよね。でも、僕らには良いサンプル例がないから、想像することが難しい。何か別の方法があるはずなんだけれどもね」
Mr Freedom
Tommy Roberts - British Design Hero
Author: Paul Gorman
Hardcover, 160 pages