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THINK PIECE

A.N.T.I.

NITRAIDによる待望の新作『A.N.T.I.』

11 9/30 UP

photo:Kentaro Matsumoto text:honeyee.com

僕らはそっと花を添えているだけ
── EIGHT

前作に続きアートディレクションを手がけたEIGHT。グレードアップした『A.N.T.I.』ではどのようにそのクリエイティビティは発揮されたのか。

EIGHT
90年代前半より、グラフィティを始める。その後、コンピュータグラフィックを独学で学び、様々なアーティストのCDジャケットなどを手掛ける。〈NITRAID〉には、2001年のブランド設立時よりアートディレクターとして参画している。
http://www.eightgraphics.com/

 

──
まずは今作の見どころを教えてください。
「東京のストリートで活動する様々な人たちのスタイルやバックボーン、そしてカルチャーを感じてほしいですね」
──
前作はスケートフィルムでしたが今作はスケートボード、ピストバイク、BMX、バスケットボールと様々なエクストリームスポーツの要素の基に成り立っています。前作との差別化などアートディレクションをするにあたって意識したことはありますか。
「ひとつのジャンルに縛られないとゆうことと、色々なジャンルの人たちがクロスオーバーするストリートという共通の土俵のイメージをよりクールに表現することを強く意識しました」
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オープニングの赤と黒の世界、そして音楽とのマッチングが印象的でした。特別なイメージやコンセプトがありましたら教えてください。
「映像が手元に届く前から本編がアグレッシブな内容になることはわかっていたので、オープニングは静かな印象でいきたいと思い、フォトグラファーのMURAKENに撮影してもらった写真を使い静止画を中心とした構成を考えました。MACKA-CHINのトラックがとても躍動感のあるアグレッシブな曲だったので実際に映像と合わせるまでは不安だったのですが、結果、より当初の狙い通りのイメージに仕上がったと思います」
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東京という街が効果的に登場し、ローカル感、チーム感というのがより強調されていると感じましたがやはりアートディレクションにおいてもその辺りは意識しているのでしょうか。あるとすればどんなところに重点を置いていたのでしょうか。
「基本的には出演者のみんながリアルな人たちばかりなので、僕らはソレにそっと花を添えているだけです。ローカル感という部分はこの作品コンセプトのひとつであり人選の時点から意識している事で、フィルマーのみんなにも撮影する際の構図や空気感において東京というイメージを意識してもらっています。アートワークでもやはり東京を強く印象づけることを意識しました」

 

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製作時間もかなり長かったのではないかと思います。またこの作品を作るにあたりトラブルや難題、特に難しかった点などもあったのではないでしょうか。
「実働時間はよくわかりませんが、とにかく長い期間でしたね。特にオープニング映像の細かい動きの修正にかなり時間がかかって苦労しました。根気強く付き合ってくれたHIDEに感謝です」
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今回の作品は“ANTI”というテーマのもと、さまざまなエクストリーマー達が集まってできた高感度な作品だと思います。例えばアートディレクションにおいて、EIGHTさまの“ANTI”とはどんなところにありますか?
「自らのスタイルを追求し、新しいこと、過去に誰もやっていないと思われることを意識しながら作品の中に表現していくことですね。そういった面ではライター時代からあまりかわってないです」
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最後にこれから作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。
「この作品を見て何かを感じたり、何かを始めるキッカケになれば嬉しいです」