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2002年、サンフランシスコ・ミッション地区のとある古着屋。突然ラジオから「ロンドン・コーリング」が流れてきた時、何とも言えない嫌な予感がした。その直後、ディスクジョッキーが言った──ジョー・ストラマーが亡くなりました──あれからもう5年経ち、ジョーがこの世にもはや存在しないなんて信じられない。でも幸いなことに、私たちはいつだって、彼の音楽を聴くことができる。そして時代を経てなお、ザ・クラッシュ及びジョー・ストラマーの音楽は、全世界の“怒れる若者”のみならず、“怒れる中年・老人”たちの心までをも、わしづかみにして離さない。 |
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『セックス・ピストルズ/グレート・ロックンロール・スウィンドル』『NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM』『GRASTONBURY グラストンベリー』など、様々な音楽関連映画を手掛けてきたジュリアン・テンプル監督の手によるドキュメンタリー映画『LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー』(公開中)は、めちゃくちゃ良い映画だった。彼を愛した人たちや彼と共に仕事をした人たちの口から語られるジョーは、まさに等身大の“人間”であった。「あんなに良い人はいない」とファンや関係者から語られるジョー・ストラマーだが、初めてのバンド、ヴァルチャーズの元メンバーたちに対して、成功後冷たくあしらっていたようだし、クラッシュ解散後は、やはり苦労していたようだ。勿論、彼が労働者や貧乏人といった、社会的に抑圧されていた弱者に対して優しい人だったということは紛れもない事実だし、インタヴューされた人々のコメントからも裏付けは取れている。が、そういった、人間なら誰しももっている「黒い部分」にも焦点を当て、ジョーという人間を見つめているところが、この映画をさらに面白くしていると思った。 |
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