── それは大きな変化ですよね。今までのKITSUNEはクールなコンピレーションを作ることでシーンに影響を与えてきた。そのことをネガティブに捉える業界の人たちもいるわけでしょう。曰く『あいつらは自分たちではリスクを背負わない』というようなね。それに対して僕は『所属アーティストを抱えない分、KITSUNEは自分たち自身のセンスだけで勝負している。ストックを持たないゆえのリスクもある』って勝手にKITSUNEの弁護をしていたんですがね(笑)。 |
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M: |
「ありがとう(笑)。とはいえ、やっぱり次を目指さないとね。CAZALSについて言えば、ひとつのバンドを育てる、2ヶ月かけてレコーディングしてロックバンドのアルバムをプロデュースするって僕らのような小さなカンパニーにとっては普通に考えたらムリがあることですよ、やっぱり。でも、だからこそチャレンジだし、次のステップになると信じている」 |
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G: |
「やっぱり、僕らにとっては賭けだからね。ただ、こうした賭けは僕らにとって大切なんだ。僕らにとって、というよりこれからの時代はね。いや、もうすでにクリエーションとビジネスの在り方が今までとは大きく変化し始めていると感じる。これからは、ひとつのフォーマットにこだわって、そこにとどまってしまわないで、さまざまなフォーマットでクリエイティビティを表現していく必要があると思うんだ」 |
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M: |
「KITSUNEで言えば音楽レーベルの一方ファッションレーベルがあって、それぞれの世界でクレディビリティをゲットしている。さらに僕はファニチャーのデザインも始めたし。逆に『KITSUNEのクリエーションはこれです』って限定して、ドアを閉めてしまうことはやめようと思ってる。常にあらゆるものに対してオープンであって、常にいろいろなドアを開いておきたい。あるいは自分でドアを作ってね(笑)。そこから入って来るものから新しい何かを始めることもあるだろうし。とにかく好きなことを続けて、同時にビジネスも成功させたい。なぜビジネスを成功させたいかというと、好きなことをやり続けたいから(笑)」 |
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G: |
「昔は『なんで会社なんか作ったんだ?』って聞かれると、冗談で『上に社長がいると、うるさいから』とか言ってたんだけれど(笑)、それは本音でもある。好きなことをやりたい、と言う意味でね。『好きなことだけやって上手くいくわけない』って昔の人は言うけどね、僕はそれができると思うよ。開いているドアをたくさん持って、常にオープンマインドであればね」 |
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