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2007年、クラブ・ミュージック今年最大の事件はこのジャスティスの降臨だった。年末まで待つことなく、これは断言できる。
2004年、シミアンのリミックスがエド・バンガーからリリースされたことによって自らの名義ではないリミックス・シングル1枚。このトラックがパリはもちろん世界中のフロアのアンセムとなったことから始まって、ソウルワックス、フランツ・フェルディナンドをはじめブリトニー・スピアーズからファット・ボーイ・スリムまでリミキサーとしても各界から引っ張りだこ。2006年、初めてのジャスティス名義のシングル「Water Of Nazales」では破壊的な強烈なエレクトロ・サウンドで世界を震撼させた。どれだけフロアは待っただろう。その期待を軽く超えたポップなダンス・アンセム「D.A.N.C.E.」で世界を狂乱させ、ついに意味深な「†」とともに二人は降臨したのである。
 
6月6日のアルバム解禁から、間もない7月末、フジロック、深夜3時のレッド・マーキー・テントは人で溢れかえっていた。これは単なる言い回しではなく事実、巨大なテントの外にまで溢れかえる熱狂的なオーディエンスに囲まれて、彼らは僕らの前に再び姿を現したのである。
イントロにアルバムの冒頭を飾る「Genesis」が荘厳に響いて巨大な十字架が妖しく光を放ったとき、低いどよめきとともに地面が揺れるのを感じた。そして怒濤のようなエレクトロ・サウンド、60分間の洪水。そこでみせた二人のフランス人のライヴはまさに2007年のダンス・ミュージックの象徴である。
 
もはやフレンチ・エレクトロという説明も必要ないほどのポップなフロア・キラー「D.A.N.C.E.」はこの夏の思い出とともに刻まれるはずだ。
そんな興奮も覚めやらぬまま、東京に戻ってきた二人に話を聞く機会を得た。
 
 
── 前回の来日から約10ヶ月、二人が確実に変わっているのを感じたライブでした。アルバム完成の前後で自分たちの中でも変化がありましたか?
 
どうだろう。ステージでは以前より自信をもてるようになったかもしれないな…。アルバムを作っている間というのは、まったく世界から隔離されたような気持ちでいたんだ。いざ、アルバムが出てみんなのリアクションを知って、ようやく安心できたよ。みんなが僕たちの作りたかったものを理解してくれたようだったし、それで自信をもてるようになった気がする。とはいえ、何が変わったのか、はっきりは分からない…。確実なのは以前よりアルコホリックになったことくらいかな(笑)。その結果よりクレイジーなステージになっているのかも…(笑)。
 
── 自分たちの作りたかったアルバム…ということですが、今回のアルバムを聴いて、最初のシングル「Never Be Alone」でみせたポップな面と「Water Of Nazales」あたりでみせていたヘヴィでダークなムードの両面を、違和感なく同居させていて、そこがすばらしと思いました。ジャスティスのツボはそのバランス感覚のような気がしましたが? そのあたりが、自分たちの作りたかったアルバムのコンセプトにもありましたか?
 
うん。まずどこでも聴けるアルバムを作りたいというのがあった。部屋でもクラブでも。たしかにその2曲で僕たちが出していたのは僕たちの好きなタイプの音楽の2つの極端なアスペクトなんだと思う。つまり僕たちはエレクトリック・ミュージックの最も純粋なエネルギーと同時に、そのロマンティックな要素も好きなんだ。アルバムではすべての曲がリンクしていて、起承転結をもっていて、まるでパズルのピースが組み合わされるように、最初から最後まで通して聴いくと、何か大きな絵が現れるような…そういうものを作りたかったんだ。
 

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