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英国のロック・バンド、ジョイ・ディヴィジョンは、70年代末にマンチェスターのソルフォードにて結成された。彼らの作品、そしてその活動は、70年代後期のポスト・パンク・シーンから現れたバンドの中で最もパワフルで、永遠に称賛されるだろうもののひとつだ。 |
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The English rock band Joy Division formed in Salford, Manchester in the late 1970’s. Their songs and work were some of the most powerful and long lasting to emerge from the late 70’s post-punk scene. |
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彼らはその音楽性だけではなく、ファクトリー・レコードからリリースされた作品におけるイメージ・コントロールや、ヴィジュアル戦略も見事だった。結果的にそれらの作品群は20世紀における「レコード・スリーヴ」の最も重要なアイコンの数々となった。 |
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Aside from the music, the control of their image and visual presentation on Factory records left some of the most iconic record sleeves of the 20th century. |
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今回、そのジョイ・ディヴィジョンの結成30周年記念と、アントン・コーヴィン監督による伝記映画『コントロール』の公開に合わせ、CD及びアナログ盤というフォーマットで、オリジナル・アルバムがリイシューされた。 |
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For the 30th anniversary of the band and coinciding with the Anton Corbijn film Control, the original albums were reissued both on CD and vinyl. |
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このプロジェクトにおいて、大きな役割を果たしたのがダニエル・メイソン。2006年、ダニエル・メイソンが経営する会社「サムシング・エルス」(※注:世界中のグラフィック・デザイナー、デザイングループに向け、素材や技術に関するコンサルティングやプロデュースなどを手がける)は、オリジナル盤のグラフィック・デザイナーであるピーター・サヴィルから、『アンノウン・プレジャーズ』、『クローサー』、『スティル』のアナログ盤復刻について、パッケージ製作に関するリサーチを依頼された。印刷とパッケージングのスペシャリストとして知られるメイソンは、当初、この仕事はシンプルなコンサルティング業務になると思っていたのだが、これらの作品のアナログ盤パッケージ製作は、想像以上の大仕事となったのだ。 |
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In 2006, Daniel Mason of ‘Something Else’ was approached by Peter Saville to research the vinyl packaging for the albums Unknown Pleasures, Closer and Still. Known as a packaging and production specialist, Mason initially thought that the work would be a simple consultancy project, but it turned into the task of manufacturing the sleeves. |
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まず、これらオリジナル盤のスリーヴ群は、バンドのファンによる愛着の対象という枠を完全に超えており、あらゆるジャンルのアーティストやデザイナーから、常に重要視される名作パッケージ群だったのだ。オリジナル盤スリーヴのこうした価値から、メイソンは「完璧な復刻」こそが重要だと実感した。 |
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The sleeves transcend the fan-base of the band and are considered important to all kinds of artists and designers. Because of this esteem, Mason realized that the rendition must be perfect. |
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僕はダニエルと仕事をしているうちに、彼が自分の職業に、尋常ではない努力と熱意をそそぎ込んでいるということを知った。彼自身、そしてこのプロジェクト――彼がたどった「旅」――についての話に興味をもったのは、そういう理由からだ。これらの話は、ハニカムを通じてのみ、見ることができるだろう。 |
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Having worked with Daniel, and knowing the extraordinary effort and zeal with which he approaches his job, I thought it would be interesting to talk to him about this project − and the journey on which it took him. Some of these pieces will only be seen through honeyee. |
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