K: |
「そういう気持ちって、よくわかる気がする。本当に作品が良いって言ってるのか、お世辞なのかが見えないんですよね」 |
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I: |
「だから当時は、自分がすごく人を疑う心の塊だったんですよ」」 |
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──それは何歳ぐらいの頃ですか? |
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I: |
「って言っても、最近ですよ。20歳とか21歳の頃だから、3年ぐらい前。それで、そういう状態の時にパソコンを開いたら、レコード会社の作詞家・作曲家・アーティスト募集! という欄を見つけて。『あっ、作詞家だけでも応募できるんだぁ』って思い、そういう沢山の人が応募する中に私の作品を紛れ込ませて、引っかかってくれたら自信が持てるかもしれないって思い、応募してみたんですよ」 |
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──なるほど。そうしたらレコード会社の方から連絡があったと。 |
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I: |
「そうです。でも、それから2~3回ほど面接したら、やっぱり素性もわかってきちゃって。それはもうしょうがないな、と思いました。私が井上陽水の娘ということは事実ですから。でも、最初に何も知られていない状態で、作品が引っかかってくれたっていうのがすごく嬉しかった。それからですね。“私の作品はこうです”って自信を持って詞を書けるようになったのは」 |
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──昨年3月に発表された井上陽水さんのシングル『長い猫』の詞を依布さんが書かれています。ということは、今は普通にお父さんと一緒にやるということについては、わだかまりというかコンプレックスとかはないのでしょうか? |
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I: |
「いやいや、気にしていました。ギリギリまで!」 |
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I: |
「ええ、ギリギリまで気にしてました。歌手デビューが決まる直前まで! 実は『長い猫』って、父と一緒にクルマの中で突発的に作ったものなんです。だから、最初は世に出るとは全然思っていなかったですし。結果として、この経験が、今私がここにいる原点になったんだと思います。だから、今は“井上陽水の娘”って言われても、あんまり気にしないようになりました」 |
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