THINK PIECE > 福富幸宏×近田春夫
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C: 「ただ、日本人は、オリジナリティの意識は、まだ低いと思う。それだけは、ホントに強く持たないと。そういう意味で、画期的なビートってまだ見つかってないよね。グラウンドビートが出てきたときって、あのBPMなかったじゃん。最初ハウスが出てきたときも、ディスコとは違ったわけじゃない? ちょっとした数字の違いだけど、その定番のテンポってあるでしょ。いま日本語の歌って、外国のテンポなんだよね。演歌だけは日本語のテンポだけど。そういう独特のBPMっていうのを見つけたとき、新しいものが生まれると思ってるのね。みんなが真似したくなるテンポを、日本人が見つけたら、それが日本人の4つ打ちになるんじゃないかな」
 
F: 「ところで、近田さんは、最近はリミックスはやってないんですか?」
 
 
C: 「仕事こないもん(笑)。いや、最近は、自分の曲を作るのが楽しくて。10年くらいかかって、自分が本当に好きなものの方向性が、やっと収まってきたのよ。オレ、急にヒップホップからトランスにハマってさ。ある日、イエローでビブラのライブが終わったあと、他のパーティに遊びに行ったら、ちょうどギンギンのゴアトランスだった。それがすごくて悪夢のようで、吐きそうになって(笑)。家帰って「あれは何だったんだろう」っていうイヤな感じが忘れられなかったんだよね。そこまでイヤなら、もしかしたら逆に好きなのかもしれないって。その日から、トランスが好きっていう決意を持ちました。今は、トランスとプログレッシブの間くらいに、自分の好きな場所を見つけて作るようになってきたから、これからはリミックスもやるかもしれない。でも、やっぱり聴いたことない音、作りたいじゃん。そうすると、時間かかる。だからなるべく仕事しないようにしてるの」
 
F: 「僕も、一生4つ打ちでいこうって、この仕事始めたので」
 
C: 「(拍手しつつ)そこはオレも一緒です。「4つ打ってナンボ」みたいなね」
 
 
  The Transformer - Remix Works by Yukihiro Fukutomi-
Yukihiro Fukutomi
avex/cutting edge
発売中

総リミックスワークス数が100曲を突破した記念にリリースされた福富幸宏のリミックス集。「あゆ」から「アート・リンゼイ」まで、無限に広がるクオリティの高さには驚かされる。ダンスミュージックという名のもと、あえて邦楽中心盤と洋楽中心盤に分けられた2枚組。
 
 

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