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ミュージシャン/DJ/プロデューサー。80年代後半のハウス黎明期から活動を開始。日本のクラブシーンを牽引し、精力的にDJ、制作をこなしている。アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリア等世界各国、各レーベルからソロ作をリリース。ハウスを軸として様々なテイストをふんだんに盛り込んだプロダクション・スタイルで、全世界で50を超えるコンピレーションに楽曲が収録されるなど、ディープ・ハウスとフューチャー・ジャズを繋ぐ希有な存在のアーティストである。
http://www.equalize.org.uk/ |
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ミュージシャン、作曲家、音楽プロデューサー、音楽評論家。日本のヒップホップ創成期からビブラストーンやプレジデントBPMなどで活動。ラジオやテレビにも出演、CMソングを手がけるなど、幅広く活動し、週刊文春の連載「考えるヒット」シリーズを代表に、文筆業もこなす。最近ではRICEというサイケデリックトランスのユニットでも活動している。 |
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福富幸宏が、リミックス100曲突破記念としてアルバムをリリースした。邦楽のリミックスも数多くこなす彼のリミックスの原点は、なんと近田春夫だという。「これを機に、近田さんとゆっくり話してみたかった」という福富のリクエストを受けて、対談が実現。ともに歌謡曲とダンスミュージックを融合しようと試みてきた二人による「リミックスと歌謡とダンスミュージック」。 |
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───福富さんにとって、「リミックスと近田さん」という組み合わせに、どういう思い入れがあるんですか? |
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福富幸宏(以下:F) |
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「近田さんがプロデュースした小泉今日子さんの「フェイドアウト」という曲をリミックスコンテストに出したのが、ぼくが初めて作ったリミックスなんです。だから原点ですよね。それに、僕が中学生くらいのときに、「ロックおもしロック」って番組やってましたよね。歌謡曲と、日本のバンドと、パンクと、ニューウェーブと、同時に語る番組だったんですよ。郷ひろみとパンクの話が同じベクトル。それで僕、人が変わっちゃったんですから!」 |
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近田春夫(以下:C) |
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「スイマセン。もう、会うと謝るようにしてる(笑)。その頃から姿勢が変わってないね、オレ。そういうのを子供の頃見て、「何かヘンだな、この人」みたいな意識が小さい頃から頭に残ってしまって、大人になってから道を誤って、この業界に入ってしまった人が結構いるんだよね。だから、そういう人には責任を感じてます」 |
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F: |
「近田さんは、ダンスミュージックを日本の歌謡とどう共存できるか? ってことを、ずっとやってきた人だと思う。その2つは別モノではないので、一緒にできて普通なんじゃないかっていう感覚が、近田さんにはずっとあったと思うんですよね。ダンスミュージックと邦楽を並列に考えられる人は、先輩では、近田さんをおいて他にはいない」 |
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C: |
「ヒップホップもいろいろやったけど、オレも結局4つ打ちが好きなんですよね。なんで4つ打ちが好きなんだろう? って考えながら今まで来ちゃったんだけど。最初、(藤原)ヒロシが「ハウスがかっこいい」って、いろいろ聞かせてくれた。それで試しに作ってみてヒロシに聞かせたら、「これはハウスではないですね」って言われて(笑)。でも、なんとか死ぬまでに4つ打ちで世界を制覇しようと、長~い準備をしている途中です。でも、和物のリミックスっていつ頃始めたの?」 |
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F: |
「‘90年ですね。最初はフリッパーズ・ギターです。アルバムにも入ってますけど、この曲13分あって、最初の6分くらい歌が出てこない。「イントロが長い」って言われた。イントロと言われてしまう時代(笑)。でもリミックスの仕事が増え始めたのは、’97年、’98年以降ですね。流行ってましたから」 |
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C: |
「ちょうどね。やはり和物リミックスは、エイベックスの功績が大きいよね。タダでいっぱい付いてくる、みたいな。「あゆ、これだけ入ってこの値段かよ」って。でも和物のリミックスって、元曲にどうしても情緒的な要素があるでしょ? それを4つ打ちにするのって大変じゃん。そういうときはどうしてるの?」 |
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C: |
「でもそうするとさ、元曲の良さを消しちゃう場合があるじゃない。120曲の中には、どうやってもこれリミックス無理だなってあったでしょ」 |
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F: |
「あ、ありましたね。特に和物に関していうと、実験以前に、いわゆる自分が考えてるハウスが、この曲に成立するのか? ってこと。だから普通のハウスから始めて、歌との整合性がとれないところが邦楽的になっていくのかもしれませんね。歌はほとんど使ってるんですよ。そうじゃないと、せっかく日本語でハウスを作っている意味がないじゃないですか。無理を承知でがんばろうと」 |
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