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───ただ、ダイヤモンドというテーマに関していえば、僕たちとも関係なくもない。それがこの映画のポイントでもあると思うんですけれど、ダイヤモンドを嗜好品として消費する僕らがいる一方で、それゆえアフリカにはすごく悲惨な状況におかれてる人がいるという事実を知るわけで。 |
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F: |
「もちろん、ダイヤモンドには罪はないし、ダイヤモンドを買う人にも僕は別に罪があるとは思わない。けれど、本当だったらシエラレオネって、ダイヤが採掘できるってわかった時に、とても豊かな国になるだろうって噂されていたんだよね。ダイヤが採れるし、自然は美しいし、世界一のリゾート地になるだろうって思われてたのに、世界でいちばん悲惨な国のひとつになった。平均寿命が世界でいちばん短い国だったらしいんですよ」 |
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F: |
「その内戦の頃はね、子供がみんな殺されてたから」 |
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───子供をさらってきて殺人マシーンにしてしまう。あれは、やっぱりショッキングなシーンですね、少年ゲリラ兵ってゆう存在をああやって映画で扱うことってないし。 |
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F: |
「そう。僕はこれを見る前にそのシエラレオネのドキュメンタリーを見たから。ジェシカは絶対に見れないよ。残酷で。でも、この監督は、間違いなくそういうドキュメント映像をいっぱい見ているね。同じ角度からの映像で、同じようにビルからの狙撃のシーンとかあったから」 |
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───そのあたりのリアリティというのも、この映画を深くしてますよね。 |
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F: |
「うん、実際の映像からの影響は結構あったと思う。でも、それだけじゃなくて、ストーリーとしてもジーンとくるシーンがいくつもある。エンディングも、ちゃんと結末がつけてあるのもいい。これは想像だけど、もしディカプリオの役がトム・クルーズだったら違うラストだったと思う。もしそうだったら、あの後日談みたいなのは無かったんじゃないかな」 |
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J: |
「うん、わかる。トム・クルーズの場合、彼で始まって彼で終らなければいけない感じがする」 |
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F: |
「そう。ちょっとヒーローが入っちゃうからね。でもディカプリオはそうではない感じ」 |
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J: |
「ディカプリオって、いつも、最初はバッドボーイみたいな感じでかっこつけてみせるんだけれど、いつのまにかピュアな部分が出てくるというか。彼はそういう役が多いんだけれど、でも今回は、また少し違う部分もあった気がする」 |
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F: |
「彼の演技も含め、見た人に何かを考えさせる映画っていうことなのかな」 |
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J: |
「彼がこの映画のプロモーションで日本に来ていたでしょう。で、たまたまテレビで見てたんですよ、この映画についてのインタビューを。そうしたら、インタビュアーが『では、もう、ダイヤモンドを女の人にプレゼントしないんですか?』とかなんか場違いなトーンで質問をしたりしていて、彼は『そういう意味でこの映画に参加したわけじゃないし、この映画はダイヤをいっさい買うなというメッセージではない』みたいなことを言ってて。要は彼なりに『ダイヤモンドにはそういう事実があること、“ブラッド・ダイヤモンド”と呼ばれるものがあって、それを見極める目が必要だ』みたいな、ことを言ってって、私は全然、映画の内容を知らなかったから、なんか、よく伝わらなかった。というか、よく伝わらないインタビューって何?って感じなんですけれど(笑)」 |
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F: |
「僕もこの映画を見て『ダイヤモンドを買うな』とか言いたいわけではないし。でも、こういう問題に対して、なにかちょっとくらいはできることがあるんじゃないかなとは思う。もちろん、現時点ではポケットにある小銭を募金箱にいれるくらいしかできないけど」 |
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J: |
「そう。ダイヤモンドをみんなが買わなくなったら、こういう問題が起こらないということとは違うと思う」 |
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F: |
「シエラレオネでは、たまたまダイヤモンドがきっかけとなっていたけれど、他にも違う理由で馬鹿げた殺しあいを続けている人たちはいるわけだしね」 |
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