honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

鈴木茂 × INO hidefumi

世代を越えて響く音楽。

15 3/9 UP

photo: Kentaro Matsumoto
text: yk

 

I
「大瀧さんの歌い方、特に節回しやコーラスなどへのこだわりはすごく勉強になりますね」
S
「50’sや60’sの音楽を聴いたことがない人でも、大瀧さんの歌声を聴いただけで懐かしいと感じられますよね。そんな特徴的な歌い方を間近で聴いてきたので、自分で歌うとなるとどうしても気が引けてしまうんです。でも今まで何度も大瀧さんの歌をカバーする方のバックでギターを弾いたことはあるので、自分以外であれば楽しんでできるんですよ」
I
「僕ら世代としては大瀧さんの音楽を次の世代に受け継いでいかなくてはならないという使命感のようなものだったり若い人たちにも聴く機会を作ってあげることは重要だと思いますし、本当に学ぶことが多い音楽ですよね。今回のライブに関しても少なからずそういった想いもあります」
──
今後、お二人でオリジナルの楽曲を制作するといったことは考えていらっしゃいますか?

I
「個人的には二人でというより、茂さんに新しいアルバムを作っていただきたいので(笑)。茂さんの新曲が聴きたいですね」
──
鈴木さんは先日ソロデビュー40周年を迎えられましたが、近年は音楽に対してどのような距離感を持って活動されているのですか?
S
「今は自分のソロライブを中心にやっていきたいという気持ちでいます。僕が音楽をはじめた頃、ザ・ベンチャーズやクリーム、ジミ・ヘンドリックスが好きだったのですが、最近になってまたそういった古い音楽に魅力を感じるようになってきたので、その流れを自分のライブでも活かしていきたいと思っていますね。あとは猪野くんの言うように、ソロアルバムも作りたいという気持ちは常にあるのですが、なかなか曲ができないままでいます(笑)。作ろうと思って作ることもあるのですが、やはり自然と頭に浮かんだアイディアやメロディを曲にした方が長く楽しめるものになることが多いんです。それには誰かのライブやDVDを観たり、色々な刺激を受けることが助けになるのですが、なんとなくテレビやラジオから流れていた音の断片が一瞬自分の頭を刺激することもあるんですよ。メロディではなく、たまたま面白く聴こえた音を頭の中で膨らませて楽器で演奏するんです」

 

I
「浮かんでくるまで作らないという手法は正しいのかもしれませんね。僕は割と無理して作ってしまうタイプで、制作モードではないときでも鍵盤を弾いてみたり、レコードを聴いて刺激を受けようとしますが、そういう時ってなかなかいいものができないんですよ」

S
「僕も散歩している時にフワッとメロディが降りてくるということがないわけではないのですが、曲を作るために森を散歩したり、美術館に行って絵を見たりということをしても、僕にはあまり効果がないんです。それよりもさっき言ったような、より具体的な音の刺激からインスピレーションを受けることが多いです。あとは案外、電車に乗っている時のように、時間を持て余して何もすることがなくて、頭の中で何も考えていない時に、ふと浮かぶことも多いですね。でも僕はそういう時に音楽以外のことを考え込んでしまう癖もあるので、なかなか新しいアルバムができないんでしょうね(笑)」
I
「何もしていない時に浮かぶという感覚は分かります。僕はトイレでボーっとしている時によく音楽が降りて来ますね (笑) トイレがインスピレーションをもたらしてくれる一番の場所かもしれない」
──
猪野さんも新しいアルバムの制作中なのですか?
I
「まさに真っただ中です。来年にはリリースできるように制作しているところです。ライブに集中する時期はなかなか思うように進まないですが、完成に向けて一歩ずつ前進しているといった感じです」

 

『鈴木茂×猪野秀史』
Special Support with 林立夫 & ハマ・オカモト
~Billboard Live Tour 2015~

[東京公演]
日時:2015年4月3日(金)
1st ステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
会場:ビルボードライブ東京
詳細

[大阪公演]
日時:2015年4月4日(土)
1stステージ開場15:30 開演16:30
2ndステージ開場18:30 開演19:30
会場:ビルボードライブ大阪
詳細