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THINK PIECE

鈴木茂 × INO hidefumi

世代を越えて響く音楽。

15 3/9 UP

photo: Kentaro Matsumoto
text: yk

はっぴいえんどのメンバーとして、また様々なアーティストの楽曲・ライブにギタリストとして参加し
日本音楽史にその名を刻む鈴木茂と、フェンダーローズを巧みに操りながら、近年ではシンガーソングライターとしても
その才能を発揮する異才INO hidefumi。昨年ビルボートライブにて実現した初の共演が大好評となり、
2015年4月にはコラボレーション・ライブ第二弾が決定。林立夫とハマ・オカモトをサポートメンバーに迎えるなど、
世代を越えた豪華ライブを前に、メインアクトである二人に話を聞いた。

 

──
お二人がステージでコラボレーションをされるのは今回で2回目ということになるのですか?
I
「そうですね。2012年に一度、ご一緒させていただいたので。そのときも今回と同じビルボードライブさんから、誰かとコラボレーションをしないかというお話をいただいて、提案リストの中に鈴木茂さんのお名前があったので、もし受けていただけるなら是非とお願いしました。子供の頃から大ファンの方だったので」
S
「お話をいただいた時は猪野さんの存在を知らなかったのですが、音楽を聴いてすぐにOKをしたんです」
I
「断られると思っていたので、ご出演いただけるとなった時は本当に嬉しかったです」
S
「猪野くんの音楽は自分にもフィットするものでしたし、そこに対して自分がどういったアプローチでギターを弾くのかということがすぐにイメージできたんですよ」

I
「ライブに向けての最初のリハーサルで、茂さんのギターが鳴った瞬間に鳥肌が立ったのを今でもしっかり覚えています。東京、大阪と2公演やらせていただいたのですが、どちらも本当に楽しくやらせていただきました」
S
「はじめに聴かせていただいた時はジャズとロックがミックスされたようなインストゥルメンタルの音楽だと思っていたのですが、ライブではそれだけではなく歌も自分で歌われていたのがすごく新鮮でした。演奏する曲も僕の好みのものばかりでしたしね」
──
その選曲は猪野さんがされていたのですか?
I
「そうです。茂さんの曲を半分、僕の曲を半分、それにプラスアルファでカバー用の曲といった感じでした。その時はトニー谷さんの”YOU BELONG TO ME”の日本語バージョンや、シュガー・ベイブの”今日はなんだか”、トッド・ラングレンの”HELLO, IT'S ME”なんかを演奏しましたね」

 

──
その後、鈴木さんは猪野さんのアルバム『NEW MORNING -新しい夜明け-』に客演もされていますよね。
S
「ライブでの手応えもありましたし、やはり初めに聴かせていただいた音源が自分の好みのものだったので、レコーディングも喜んでという感じでしたよ」
──
前回のライブではINO hidefumi bandがサポートを務めていましたが、今回は林立夫さんとハマ・オカモトさんが参加される予定ですね。
I
「もともと、茂さんと同様に僕の中でのミュージック・レジェンドである林立夫さんと、いつかご一緒してみたいと思っていたんです。なので、また茂さんとご一緒できることになった時に、その場で茂さんから林さんにお電話していただいたんです。ハマ君にお願いしたのは、バンドの平均年齢を下げようと思って(笑)。彼は技術的にもしっかりしているし、音楽的な知識や愛情もある人なので、声をかけさせてもらいました」
──
今回のライブに向けて、イメージすることはありますか?

I
「前回のライブの後、お客様からの評判もすごく良かったのでその流れも汲みつつ、選曲の上では前回とは異なる、新しい方向性にも挑戦したいと考えています」
S
「今回は僕も選曲に参加するつもりでいるので、猪野くんのイメージを聞いて、そこに合うような曲を選んで演奏できたらと思っています。自分の曲はもちろんですが、カバー曲では今まであまりやったことのない曲を中心に選んでみようかなと」
──
ボーカルは曲によってそれぞれ担当されるのですか?
I
「そうですね。ただ今回はせっかく林さんもいらっしゃるので、茂さんのソロやティン・パン・アレー、それから大瀧さんの曲などもやらせていただけたらなと考えています」
S
「僕は大瀧さんの曲は何度もライブでやっているのですが、歌に関しては大瀧さんのイメージがつき過ぎてしまっていて、自分では歌えないと思うんです。自分以外であれば全く別のもとして気にならなくなるので、猪野くんが歌ってくれるのであれば是非やりたいですね」