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THINK PIECE

KZA “D.A.E.2”

“コズミック・レジェンド” KZAによる4年ぶりのニューアルバム。

14 1/10 UP

photo: Satomi Yamauchi text: yk

DJ KENTとのDJ/プロデューサーユニットFORCE OF NATUREとしてはもちろん、
日本屈指のヴァイナルディガー、また海外ではジャパニーズ・コズミック・レジェンドとまで称されるKZA。
これまで長きに渡りシーンをリードしてきた彼が、
ソロ名義としては4年ぶりとなるニューアルバム「D.A.E 2」をリリースする。
各地で大反響となり、今なお熱狂的なファンの多い前作に引き続き、
その飽くなき探究心によって完成させられた本作を語る。

 

──
大反響となった前作「Dig & Edit」に続く作品となりますが、コンセプトや制作の手法に変化はありましたか?
「続編を作るというイメージがそれほどなかったのですが、結果的に同じ世界観になったという感じですね。僕は一からメロディを弾いて作り上げていくタイプではないので、手法も前作と変わらず、ディスコやロックのレコードをひたすら聴いて、メインとなるループをサンプリングして再構築していくというスタイルで制作しました」
──
前作から4年越しのリリースとなりますが、どのように制作を進めていったのですか?
「4年間全く曲作りをやっていなかったわけではなく、リミックスやエディットの作品はいくつかリリースしていたのですが、同時にかなりの数のDJをこなしていたので、アルバムの制作には集中し切れなかったんです。そんな中でも少しずつ曲を作り溜めていって、途中でたくさんボツにしながら最後まで完成させたのが今作に収録されている曲ですね」

──
今回もサウンドエンジニアとしてKUNIYUKIさんがクレジットされていますね。
「僕が曲の全体像を作ってから、必要だと感じたシンセをKUNIYUKIさんに頼んで弾いてもらって、その素材をさらにエディットして曲に組み込んでいきました。こういう感じで、とニュアンスを伝えれば弾けてしまう方なのでとても助けられましたね。ミックスダウンに関してもKUNIYUKIさんの意見をもらいながら進めていきました」
──
かなりの数のレコードをお持ちかと思いますが、アルバムでサンプリングされたレコードはもともと所有していたものなのですか?
「今回は良いタイミングでロンドンとベルリンでDJをする機会があったので、空いた時間に現地のレコード屋でかなり良いネタを見つけてきました。特に今ベルリンでは新しいレコード屋がかなりできていて、中古レコードがすごく充実しているんです。DJが世界中から集まってくる街なので、色んなジャンルのレコードがたくさん流通していているみたいですね。今回の作品でもヨーロッパ滞在中に購入したレコードからサンプリングした曲もいくつかありますよ」

 

──
どの曲もクラブだけでなく、家でも聴けるリスニングの要素も兼ね備えていていると感じたのですが、制作段階からそういった意識はありましたか?
「アルバムとしてリリースするからには、家や車でも聴けるようにしたいという気持ちはありました。ダンスフロアだけを意識してミニマルにし過ぎるのは避けたかったので、メロディや展開でグッとくる要素を詰め込んで構成していったのですが、逆に曲っぽくなり過ぎるのもどうかと思ったので、そのバランスは意識しましたね」
──
今作のリリース元ともなっているMULE MUSIQとの関係はどのようにスタートしたのですか?
「FORCE OF NATUREとしてリリースした3枚目のアルバムをMULEのオーナーさんが聴いてくれて、世界流通で出さないかというお話をもらったことがきっかけですね。それからはずっとMULEを拠点に活動をさせてもらって、2010年にはMULE MUSIQの傘下としてLET’S GET LOSTというRE-EDITレーベルもスタートしました」
──
昨年の7月にはロンドンで開催されたLOVE BOXに出演されましたが、大規模なフェスティバルでのプレイはいかがでしたか?
「僕たちはDJ HARVEYがオーガナイズしたエリアでの出演だったのですが、他にもHORSE MEAT DISCOのエリアがあったり、メインではJURASSIC 5やD’ANGELLOがライブをしていたりして、楽しかったですね。それがロンドンの街中の公園で3日間に渡って行われていて、とにかくスケールが大きかったです。日本で言えば、FUJI ROCK FESTVALが代々木公園でやっているようなイメージですね。その後はベルリンとフィンランドでもDJをして、今回のツアーでは3都市を廻って帰ってきました」