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THINK PIECE

Juno Mak "Rigor Mortis"

香港のマルチ・クリエーターによる初監督作品。

13 11/1 UP

photo: Shoichi Kajino text: yk location: PINO CHIKA

 

──
この作品は80年代のキョンシー映画へのオマージュとなっているそうですね。
J
「その通りです。“Rigor Morits”は輝かしかった80年代、香港映画が隆盛を極めた時代へのリスペクトを込めた作品です。この30年で失われてしまった輝きをもう一度取り戻したかったので、“霊幻道士”に出演していた役者さんをキャスティングしています。とはいえ、いくら80年代をリスペクトしたとしても、その当時のものをコピーしても何の意味もありませんから、“人間性を描く”という」自分の制作のテーマの上に、オマージュとして80年代の雰囲気を散りばめていきました」
──
“富江”や“呪怨”をはじめホラー映画を数多く監督されている清水崇さんがプロデュースを手がけられていますが、Junoさんからオファーをされたのですか?
J
「そうですね。清水さんとは知り合ってしばらく経ちますが、個人的には彼は単なるホラー映画の監督ではないと思っています。“呪怨”の大ヒットによって世の中にはそのイメージが定着していますが、もっと他の映像も撮りたいと考えているはずです。まず清水さんに“Rigor Morits”の脚本をお見せした時、ホラーをベースにしながらも、より深い人間性が描かれている人間ドラマであるという点を気に入っていただけて、この仕事をご一緒することになりました」

──
清水さんの役割としてはどのような作業だったのですか?
J
「ポストプロダクション、いわゆる映像が完成してからの作業ですね。サウンドデザインや海外市場への売り込みを含めたプロデュースをしていただきました。日本では今のところ東京国際映画祭のみでの上映でしたが、今後は一般公開に向けて動いていく予定です」
──
今後は監督業がJunoさんの活動のメインになっていくのですか?
J
「いえ、実は歌手としての次のアルバムがすでに完成しています。ただ今は映画のプロモーションで世界中を飛び回っているので、そのリリースにかける時間が全くないのです。ただ、近日中にはアナウンスできると思いますので、楽しみにしていてください。冒頭でも述べたことですが、歌手、俳優、脚本、そして監督と、それぞれが単独で存在しているわけではなく、すべてが僕のクリエーションの一つなので、今後もこのスタイルで活動していきますよ」