── とはいえ、確実に世界的なシンクロニシティがあったのだと思います。それはダンスミュージック側の人間にもロック側の人間にもあって、それがいつの間にか連鎖反応を起こして、今、とりあえずエレクトロと呼ばれるもになっている……。 |
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O: |
「エレクトロって言ってますけれど、言葉の意味としては、身も蓋もないけれど、いっそ“ニューロック”でもいいんじゃないかなと思うんです。だって、ダンスフロアであろうとフェスの会場であろうと、集まった人たちをロックするのがロックでしょう。その時々で、一番“揺さぶる音楽”がロックなんだから。ただ、そういう音楽を今、エレクトロと呼ぶならばそれはそれでいいと思うし、僕自身でも自分のDJスタイルを、あえてエレクトロと言っているところもありますから」 |
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── 大沢さんのスタイルを「ダンスフロアのライブハウス化」と表現する人もいますが、それも世界的な傾向ですよね。2many dj’sにしろKITSUNEにしろ、本当に「ロック」ですから。 |
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O: |
「その意味で、僕自身、ここ何年間かでやってきたことが、世界的に同時に起きた波に乗っているという感覚はありますね。ただ、それをいくらDJの現場で表現していても、やっぱりその場限りのものであって、作品としてカタチにしないと何かを成し遂げたと思えないんですよ。だから、逆説的なんですが、今回のように、DJでの僕のスタイルを正直に反映したアルバムを作る、ということを決意するまでが最も時間がかかったところなんですよね。『DJとしてはエッジィなことをやっていても、作品はもっとポップでマス寄りです』みたいなことをやっている人もいるわけだけれど、今、僕がそれをやってしまったら、この数年間が無意味になる気がして」 |
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