── いわゆるエレクロと呼ばれる音楽シーンに大沢さんはどのようなコミットをしていると感じますか? エレクトロという音楽に大沢さんが感化されているのか、大沢さんの音楽的な進化の延長にエレクトロ的なものが交差してきたのか……。 |
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大沢伸一 (以下:O) |
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「どちらとでもいえないですね。エレクトロといわれるシーンのなかでも、クオリティの差はものすごくあって、当然、僕が共感できるのは良質なもののみなですから。また、エレクトロと関係のないアーティストであっても自分と同じものを感じる場合もよくあるんですよ」 |
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── 僕の印象ではエレクトロが盛り上がる以前から大沢さんはダンスミュージックにロックのダイナミズムを融合させる実験してきたと思うんです。ただ、そうしたサウンドを追求しているアーティストは、それぞれのシーンにあまたいて違う方法論でやってきたことが、ここ数年、エレクトロというスタイルに収斂してきたのかな、とも思うんです。 |
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O: |
「確かに、失ってしまった体温を取り戻すという傾向はどのジャンルにもある気がしますね。ただ、僕の場合は本当に個人的な趣味の問題で、90年代の後半あたりから始まった、表面的にオシャレっぽい、BGM的なカフェミュージックみたいなものの流行が、しっくりとこなかったというのがあるんですよ。もっと白黒ハッキリさせるというか、音楽が脇役なのか主役なのかを決めてほしいという感じで。だったら、僕は正反対の方向を目指そうと」 |
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