THINK PIECE > 渋谷慶一郎×野村訓市
PHOTO PHOTO
  < PREV  | 1 | 2 | THINK PIECE TOP >
 
「音楽に付随するイメージ」
 
───概ねポップスって、どんなものでも、どこか視覚的イメージが付随しますよね。もちろん歌詞の影響もあるだろうけれど、イントロの時点で海辺の情景や都会の夜といったわかりやすいシチュエーションが浮かぶってあるじゃないですか。そういうイメージを想起させるものが、今のマーケットにフィットしてるんでしょうけれど、逆に一切のイメージを否定する音楽というのも新鮮なんですよね。いわゆるエレクトロニカにはそんなニュアンスを感じるんです。
 
S: 僕は、映画『イレイザーヘッド』のサントラが大好きなんだけど、あれって映画音楽なのにも関わらず音の記号的な部分をまったく削いでいるでしょ。僕は記号の戯れのような音楽が嫌で、だからサンプリングミュージックも全般的に嫌い。100年後は絶対に残っていないと思う。
 
N: なかなか極論な男だね、君も(笑)
 
 
S: ほとんどの音楽には使い古された記号的な要素が含まれているけれど、僕はそれがない音楽だけを作りたいと思ってる。南青山のプラダビルを作った建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンの作品なんかを見ると、何じゃこりゃって思うじゃない? 理屈はわからないけど面白い!って。音楽でそういうことをやりたいんだよね。
 
 
N: アバンギャルドのためのアバンギャルドじゃないけれど、その何だかわからないという評価だけで満足するわけじゃないんでしょ?
 
S: もちろん、ジャンルとして確立するようなプロセスがあっていいと思ってる。多分それが音楽が進化したということだからね。メジャーな文化は進化しているのに音楽だけが根本的な進化をしてないという状況は、僕は非常に不満。
 
N: 逆に渋谷が作った、今の世の中にあるフォーマットに沿った音楽というのもちょっと聴いてみたいけどね。
 
S: 実はそれもちょっとあって(笑)。そもそも今後の音楽はすべて三次元じゃないと駄目だなんて言う気はないし。新しいことをやるんだったら二次元よりも三次元の方が絶対に可能性があるけれど、逆に二次元でやれることもある。例えば僕自身ピアノを弾くし、作った曲もたくさんあるし。それと三次元の音響的なものをミックスして、何か作りたいという思いはあるよね。
 
 
  ATAK010 filmachine phonics Keiichiro Shibuya 松下電機のパーソナルサラウンドテクノロジーによって
可能になった音像の縦移動を含む世界初のヘッドフォン
専用・三次元立体音響CD。「未来の音楽」がここに。
(発売中)

[試聴]
http://atak.jp/shop/mp3/atak010.html

[購入]
http://www.amazon.co.jp/
 
 

  < PREV  | 1 | 2 | THINK PIECE TOP >
THINK PIECE > 渋谷慶一郎×野村訓市

www.honeyee.com

top