THINK PIECE > PAM
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───アーティストが「作品」として服を作る場合もありますが、PAMの場合はアートの要素もありながらも、あくまでファッションのフィールドで勝負しようとしてますよね。安易なコラボレーションではなく、自分たちのなかでアートもファッションも消化しようとしている。
 
M: 「ペインティングというのは一点物だし、値段もとても高くなってしまう。それに比べて洋服というのは、まず着ることを楽しめるし、値段も抑えられる、そこにメッセージがあればそれを受け取ることもできる。そしてそのメッセージは着てくれることで、あらゆる人に伝わっていく。とても面白いものだと思っているよ」
 
S: 「大きなブランドであったり、アーティストであったり、ある種、マスに向けたコラボレーションも面白いのだとは思う。ただ、私たちはとても小さいカンパニーだし、シッピングも自分たちでやっているくらいだし(笑)」
 
───あなたたちは、マスマーケットで成功することを目指さないということですか?
 
S: 「大きなマーケットを相手にすることはとてエキサイティングだとは思う。ただ、自分たちのこととしては全く意識してないですね。毎日仕事することが楽しいし、アイディアだってたくさんある。常に意識しているのは、前回よりも次のコレクションを良くしていくこと、それだけ。これまで洋服はもちろん、音楽やアート、あらゆる手法でPAMを表現してきたけど、それらの活動がようやく実を結んできたように感じるの。こういう活動も含めてPAMというブランドの存在感を強くしていきたい、そう思っています」
 
───今シーズンの〈PAM〉は、どんなコンセプトで、どういう人たちに理解してもらいたいのですか? 
 
 
M: 「私たちのコンセプトやテーマは、常にパーソナルなものなの。トレンドや消費者を意識して服作りをすることはありません。パリ、ロンドン、東京、あらゆる街を旅しながら、たくさんの友人に出会い、多種多様な景色を目にすることで、いろんな新しい刺激を受ける。それらの刺激を私たちなりにカタチにしていくんです」
 
S: 「そういう意味では、ビジネスプランというものがまったくないんだよね(笑)」
 
───でも、そういうパーソナルな視点こそが、今一番求められているよう思います。ファンタジーやロマンスにテーマやイメージを求め、一般的にはとても現実的とは思えないライフスタイルを提案するファッションブランドには、もうリアリティが感じられないし、単に消費に急き立てられているようで、ついて行けません(笑)。
 
S: 「人間的なコミュニケーションやコネクションは、僕らにとってはとても大切な要素。目と目を合わせて会話することは、僕らのイマジネーションの1つだからね。実は目をアイコンにしたグラフィックには、そういった理由があるからなんだ」
 
 
 

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