── 世の中のヒップホップのトレンドを反映させたり、音楽業界の流れを考えたり、例えば個人レベルでも、もう3枚目だし新しいことにチャレンジしたい、みたいなことは考えたりはしないんですか? |
|
M: |
そういう意味では、ソロのほうが細かく気を使う。ニトロは保守的なのかもしれないですね。 |
|
|
D: |
ボクは新しいことをやったほうがいいんじゃないかなって気持ちもありましたけどね。ボクが作ったんじゃないけど、ボクが提供したトラックもあるんですよ。トラックの雰囲気とか、鳴りとか、“こういうのもできるよ”って見せたほうがいいかなと。サウスっぽいトラックとか持っていって、みんなも気に入ってくれたから良かった、という個人的な見解です。 |
|
|
── ニトロに何か新しい風を吹き込む必要性を感じたんですか? |
|
D: |
そうですね。過去のグループって思われるのが一番シャクなんですよ。1枚目で成功して、2枚目もそれなりに話題になった。今、それらの後追いをするべきじゃない。ニトロを始めてから10年くらい経って、昔悩んでいたことと、今悩んでいることは違うし、昔目指していたことと、今目指していることも違う。見るモノ、見えるモノ、見たいモノも変わってきている。周りの環境も全然違うし、人間として成長しているわけじゃないですか。それで昔のニトロ、みんなが思うニトロっぽいというモノを作るだけでは、“10年前の視点に戻すの?” みたいな感じがして、自然じゃないと、勝手に思ってました。 |
|
|
M: |
……というくらい、みんなバラバラです(笑)。バラバラなほうがいいよね。趣味みたいなものだよ。 |
|
|
|
|
|
── やっぱりニトロという看板は、ソロ活動のときでも、プライドになるんですか? |
|
|
|
── ヒップホップって前に出て行ったり、“オレのヒップホップはこれだ!”ってレペゼンするカルチャーだったりするじゃないですか。日本のヒップホップ界を引っ張っていくぜ、という意気込みみたいなのはありますか? ぶっちゃけ答えは分かってますけど(笑) |
|
D: |
ニトロだとないんじゃないですか。思考停止です。あまり余計なことを考えない。やりたいことはソロでやればいいじゃんて。 |
|
|
M: |
みんなソロと気構えが180°違うと思うんですよね。ソロではやりたいことをやっていますよ。 |
|
|
D: |
国連みたいな感じ? それぞれ勝手で、まとめる人もいない。ただ、自分の価値観が壊されるのが楽しい、っていうMっぽいことを、ニトロでは感じますね。“おまえ、こんなことしちゃうの? アリなのか? アリかも”って。ソロじゃやらないけど、乗ってみたら面白かった。 |
|
|
|
|
|