THINK PIECE > James Murphy a.k.a. DFA
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ティム・ゴールドワージーとともにDFAというプロデューサーユニットを組み、さらにはLCDサウンドシステムというバンドも展開するジェームズ・マーフィーが、今回はDJとして来日した。プロデューサーであり、バンドマンであり、またDJでもあるという、彼の多彩な音楽観にせまった。   James Murphy ディスコ・パンク、ニューウェーヴ・リヴァイバルなどのムーブメントを先導してきたプロデューサー/アーティスト/DJ。ラプチャー、レディオ4などのポストパンク系アーティストのプロデュースを手掛け、ケミカル・ブラザース、N.E.R.D.、ナイン・インチ・ネイルズ、ジュニア・シニアなどのリミックスなど、ジャンルを飛び越えて幅広く活動している。
http://www.dfarecords.com/
 
 

─── DFA、LCDサウンドシステム、そしてDJと、幅広い活動をしていますが、それらを自分の中では振り分けて考えているんですか? LCDサウンドシステムはDFAでやっているプロデュース作業の具現化である、というとらえ方もできますが。
James Murphy(以下:J )
  まず、すべて自分の中から生まれてくるものだよね。LCDは自分だけのものだし、DFAはパートナーがいて成り立っている。それだけの違いだね。もちろん全然違うものなんだけど、わざわざ自分でわけているのではない。自分から出てくるものってことに変わりはないよ。DJのときは、とりあえず自分の曲はかけられないね(笑)。DFAのリミックスはかけることもあるけど、自分の声が流れてくると気持ち悪いんだ。そんなときはクラブ自体から出て行きたくなるよ。まだみんながボクのことを知らない頃はよかったけど、今はダメだね。

─── もともとはパンクキッズだったとききましたが、どういう経緯でダンスミュージックに傾倒していったんですか?

J: いまのDFAのパートナーであるティム・ゴールドワージーとマーカス(=SHIT ROBOT)が教えてくれたようなものだね。マーカスのDJが初めて聴いたダンスミュージックだし、彼がDJを教えてくれたんだ。それまでは最悪の音楽を作っていたんだよ(笑)。超退屈なやつをね。それでも音楽はやるべきだと思っいてたし、自分のことをもっと音楽家だと感じていたかったのに、満足できなくてやめちゃったんだ。空っぽだったよ。でもダンスミュージックが救ってくれた。それまではエゴなんて出してはいけないと思っていたんだけど、これで自分の意見も持てたし、自分自身が誰なのか、アイデンティティを発揮することができるようになったんだ。

─── 自分では、ロックを作っているつもりですか? それともダンスミュージック? そのどっちでもある? どっちでもない?

J: ポップミュージックを作っている感じはあるかな。いままで自分が聴いたことのある音楽、つまりインプットしてきた音楽を、自分というフィルターを通してポップミュージックというカテゴリーでアウトプットしている。歴史的な音楽から今の音楽まで、ポップというカテゴリーにすることによって、いきなり幅が広がって、なんでもインプットできるようになったんだ。
 

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