THINK PIECE > FAC51-Y3
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マッド・チェスター発祥の地
 
ニューオーダーやハッピーマンデーズらを擁するファクトリー・レコードのトニー・ウィルソンが経営していたマンチェスターのクラブ『ハシエンダ』。1982年のオープンから1997年の閉店まで、UKアシッド・ハウス文化の中心として世界中の音楽ファンを魅了した。現在でも、80年代後半にUKで猛威を振るったロックとレイブの融合ムーブメント“セカンド・サマー・オブ・ラブ”、いわゆるマッド・チェスターの発信地としても語り継がれる、伝説のハコである。
 
 
25周年記念のエキシビション開催
 
そのハシエンダの栄光と軌跡を讃えた25周年記念のエキシビション「HACIENDA 25 THE EXHIBITION FAC 491」が、7月19日よりマンチェスター市内のURBIS展示センターにて開催。会場内には当時のライブ映像や写真、ファクトリーの専属デザイナーだったピーター・サヴィルが手掛けたポスターやフライヤーを中心としたアートワークなどが展示されている。なかでも、ひと際注目を集めているのが、Y-3からリリースされたハシエンダのスペシャルシューズ“FAC51-Y3”。これは、ピーター・サヴィルがデザインを手掛け、ニューオーダーのピーター・フックと建築家のベン・ケリーがアドバイザーとして加わって作られた、全世界250足の限定モデル。この商品の展示ブースに訪れた人々はそのクオリティの高さゆえ、ジッと見入っていたという。また、今エキシビションのオープニングレセプションにはアディダスのトレンドマーケティング プロジェクトマネージャー倉石一樹も参加。当日はハシエンダ関係者の他にイアン・ブラウンやショーン・ライダー、アディダスUKのギャリーなどもゲストで登場した。そこで、マッド・チェスターに魅せられた彼自身のコメントによって、今もなお各方面に影響を与え続けるハシエンダの創造力、そこから生まれるY3との共同プロダクトの奥深さをリポートする。
 
 
好きな音楽の延長にハシエンダの存在があった
 
── まず、ハシエンダを知ったきっかけは?
 
倉石 一樹(以下:K)
K: 「当然、リアルタイムでは知らないんですけど、やっぱり音楽ありきかな。ハシエンダでライブをやった人達の音楽が好きだから知ったという感じです。だから当時のいわゆるオシャレピープルたちが集っていたパーティ事情とかはよく知らないんですよね」
 
── ちなみに好きなミュージシャンって?
 
K: 「ストーン・ローゼスやプライマル(スクリーム)。あとハッピーマンデーズも好きですね。ちなみにセックス・ピストルズも最初の頃、ここでライブをやったらしいですよ。それこそ30人~40人しかお客さんが入らないぐらい初期ですけど。その観客の中にはニューオーダーのメンバーもいたとか。あと、最近でいえば、今年のフジロックにも参加したシミアン・モバイル・ディスコなんかも、ハシエンダで演奏していたミュージシャンっぽくて良いかなと。今流行ってるニュー・レイブもセカンド・サマー・オブ・ラブの流れを感じるし、なんかこの辺の音楽がまた盛り上がりそうですね」
 
 
── もうひとつのハシエンダのポイントとなる、独創かつ確信犯的なヴィジュアル・プレゼンテーションについては?
 
K: 「音楽とデザインの蜜月な関係って、今でこそ当たり前ですが、80年代当時に、きちんと明確なコンセプトに基づいてビジュアルを提案していたのは、ハシエンダが最初ではないでしょうか。そう考えるとやっぱりピーター・サヴィルの影響ってすごい。ニューオーダーのジャケットやハシエンダのフライヤーといった彼の作品は月日が経ってもまったく色褪せない。それはシンプルだけど印象深いからでしょうね。」
 
 

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