ポート・オブ・ノーツのギタリストとして極上のスタイリッシュポップを発表してきた一方で、ソロアーティストとしてもギターに焦点を当てた味わい豊かなトラックを発表し、知る人ぞ知る名バイプレイヤーとして名を馳せる小島大介=DSK。
ここのところ藤原ヒロシ、猪野秀史らとのセッションライブで、やはり渋い存在感を発揮していることは、ハニカム読者なら周知のことだろう。 |
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そのDSKが自らのレーベルを発足し、心機一転となるニューアルバムをリリースする。レーベル名は“Moderate Recording(穏やかな、の意)”、タイトルは『presents MODEST』。ソロ3作目にして、ついに自身のアイデンティティを惜しみなく表現した傑作をものにした。 |
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「自然な仕上がりだと思います。僕なりにアレンジやミックスを詰めていくと、こうなったというか。だから僕自身の好みに対して忠実。コード進行とメロディ、ギターの刻みといった骨格の部分だけを取り出しても自分らしさが行き渡っていると思う」
とクールに言い放つが、本作はナチュラルで繊細なメロディ、洗練された都会的なアレンジ、そしてなにより音の隙間から漂う淡い寂寥感が確実に時代を捉えており、まさに“新世代AOR”とでもいうべき、ジャパニーズポップスのアップデートバージョンを聴かせる。これは、とても“天然”では作れないサウンドであると思うのだが。 |
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「あえて意識した部分があるとすればライブを前提にしたということ。今後、自分が活動していく中で軸になるものを作りたいというのが、まず、あったので。アコースティックギター1本でもライブができるように、歌モノも半分くらい入れました。今までのソロ作ではトラック制作が終了した時点でその楽曲に関しては完成というか、そこで終わっていたんですけれど、このアルバムは、リリースした後も、いろんな人とコミュニケーションを取るツールになることができると思うんです。リスナーはもちろん、他のミュージシャンとのセッションも自由にできるわけで。なので、今やりたいのはライブです。バンドはもちろん、ギター1本での弾き語りライブもやりたい」 |
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