雑誌のフォトセッションや取材もいくつか受けたんですが「好きなスタイルは?」とか「影響を受けたデザイナーは?」とか、まあ日本では絶対出てこない質問で(笑)、でも、いわゆるファッションデザイナーに対してのごく普通の質問なんですよね、それが。逆に「東京のシーンについて」とかは一切、聞かれないですよ。たくさんあるブランドのなかのひとつ、あるいはたくさんのデザイナーのなかの一人としてネイバーフッドや僕のことを捉えてくれている。
エキジビションへの評価もブランドのバックボーンより、“服”そのものへフォーカスするんです。まあ、当たり前なんだろうけれど、それが新鮮だったし、なんとなく嬉しかったですね。
ミラノを含めたヨーロッパって、ストリートとハイファッションの中間が無いんですよ。逆に言うと日本はその部分の層がすごく厚いんですが。だから、日本より年齢層の高い人たちに支持されているようですね。それも完全にファッションとして捉えられている……。
いわゆるファッションブランドとして服を作っている感覚って、実はないんだけれど、そんな僕らに対してもファッションとしてキチンと向かい合ってくれる。そういう部分が海外に展開していくことの「楽しみ」や「やりがい」になっている。もちろん、コレクションでランウェイショーをしているブランドとは比べられないけれど、僕らのスタイルでの海外進出というものを着実に進めていきたいですね。 |