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日本のストリート・カルチャーの要素を全て凝縮した人気ヒップホップ・コミック『Tokyo Tribe 2』。WOWOWでアニメーション化を受け、原作者の井上三太は、リアルなヒップホップ・によるサウンドトラックを求め、サントラの制作を日本のヒップホップのパイオニアであるMUROに一任した。子供の頃から映画館に入り浸って映画に親しんでいたMUROにとって、サントラを制作することは願ってもいないチャンスだった。
「両親がガソリン・スタンドをやってて、隣が映画館だったんですよ。子供のときに、昼間から映画の三本立てとかを訳も分からず見て、多分そのときの音楽が思い入れあるんですよ」(MURO)
今回のサントラの出発点となった楽曲は、ウータン・クランのゴーストフェイス・キラーとレイクォン、そしてトライフ・ダ・ゴッドをフィーチャーした"The Roosevelts"。今年7月にFrank 151とSwaggerのライヴのために来日したゴーストフェイスとトライフをフィーチャーするために、MUROは彼らにトラックを渡した。
「90年代からラップを聴いてるヘッズだったら、ゴーストやレイクォンとかは、アイドル的な存在だと思うんですよ。今回はダメもとでオファーして、そうしたらビートを聴きたいと言ってくれたので、1曲入魂で渡した」
そのトラックを気に入ったゴーストフェイスはすぐに参加を快諾し、『Tokyo Tribe 2』の荒廃した世界観をリリックで表現した。
「初めてMUROが作ったビートを聴いたときは、まさに俺のサウンドだと思ったし、ヤバイと思ったよ。あのビートを聴いて、大事なのはどこの出身かじゃなくて、マインドがどこにあるかっていうことを思い出した」(ゴーストフェイス・キラー)
MUROは更にサントラ制作のため、10月にニューヨークに飛び、ヒップホップ・シーンを代表する大物プロデューサーとスタジオに入った。その一人は、ジェイZ、カニエ・ウェスト、マライヤ・キャリーなどミリオンセラーのアーティストのプロデューサーとしても知られるジャスト・ブレイズだ。
「メインストリームで活躍してるプロデューサーの中で、ジャスト・ブレイズは重要なキーマンだと思うんですよ。最近の日本やアメリカのトラックメイキングではDJ的な感覚が失われてる気がして、それが出来てるプロデューサーはジャスト・ブレイズくらいしかいない」(MURO)
MUROは片手に数十枚の7インチ・レコードを抱えながら、マンハッタンにあるジャスト・ブレイズのBaselineスタジオを訪れた。
「MUROとは前からコラボレーションをやろうと話してたから、彼から『Tokyo Tribe』のオファーをもらったときは絶対にやろうと思った。今回がそれを実現させるためのいいチャンスになった」
(ジャスト・ブレイズ)
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