THINK PIECE >KAHIMI KARIE
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CRUE-Lの魅力をバランス良くパッケージングしたコンピレーションに、“音”そのものに焦点を当て、ボーカリストとして、あるいはプロデューサーとして、新たなる世界観を覗かせたオリジナル。
表情の異なる2枚のアルバムを軸にして、カヒミ・カリィの魅力に迫る。
  KAHIMI KARIE
1991年にデビューし、翌年より本格的なソロ活動をスタート。Arot LindsayやKaterineといった海外アーティストとの共同プロデュース作品などを発表し、話題を集める。最近では菊地成孔氏のソロアルバムや大友良英氏のユニットに参加するなど、ボーカリストとして活躍の幅を広げている。
http://www.kahimi-karie.com/
http://www.crue-l.com/

カヒミ・カリィTour '07 ' Muhlifein
2/18(日)東京 人見記念講堂
2/25(日)京都 同志社大学内 ハーディーホール
チケット発売中。詳しくはHPで。
─── まず、CRUE-Lのコンピレーションについてお伺いします。この企画は瀧見(憲司・クルーエルA&R)さんからオファーがあったんですか?
カヒミ・カリィ(以下:K)
  「はい、そうですね。細かい制約もなく、『自由に選んでくれてかまわない』と言ってもらっていました。ただ、私はCRUE-Lの設立当初から知っているからかもしれませんが、どちらかというと最近のものより初期のものを意識して選びました。
─── そのなかで選んでいった曲が初期のものから最近のものまで、全部で18曲。CRUE-Lの持っているエッジィな部分だけでなく、ソフトでスタイリッシュな部分もあり、その両方のバランスがうまくとれているように感じます。実際、カヒミさんが思うCRUE-Lのイメージはどのようなものなのですか?
K: 「私はCRUE-Lができる以前から瀧見さんと仲良しだったので、“CRUE-L=瀧見さん”というイメージがまずありますね。あとは、どうだろう。やっぱり私のデビューするキッカケになったレーベルなので、どうしても客観的に見れない、というのがあるのですが、瀧見さんが1人でゼロからスタートして、インディペンデントだけれど面白いアーティストを集めて、その人たちが制作しやすいような環境を提供するというか、一緒に作り上げていく、そういう自由なイメージがありますね。ジャンルにとらわれない、という意味でもとても自由な雰囲気を感じます」
─── CRUE-Lが立ち上がったことは、カヒミさんにとってもキャリアがスタートするキッカケでもあったと思うのですが、15年前の当時のことはよく憶えていますか?
K: 「CRUE-Lのイメージにしても、私自身にしても、特に私はこんなに長くアーティストを続けるとは思っていなかったんですよ。本当に音楽が好きで、周りに小山田(圭吾)君だったり…、そういう才能のある人に囲まれて、誘われて、おもしろそうだから1度か2度くらいやってみよう、と。それからCRUE-Lの方も、最初は同好会的のような感じだと思っていて。こんな本格的に15年も続いていくとは、思ってもみなかったですね。振り返ると、とにかく楽しいというのが一番強くて、とてもやりがいがありました」
─── やりがいとはどんな感じですか?
K: 「私は最初スタッフとして関わっていたんです。瀧見さんと会った頃は、カメラマンとして写真を撮っていて、アーティスト写真を撮ったり、アートワークの手伝いをしていたんです。けど、自分でも歌うことになって、演奏してくれる人  もみんな友達で、全部みんなで一緒にやっていた。なんでもできそうな、そんな雰囲気でした」
─── カヒミさんにはアーティストでありながらも、自身をプロデュースするプロデューサーとして優れている印象があります。それはレーベルが立ち上がる瞬間にその現場にて、スタッフとしても参加していたということも関係あるのでしょうか?例えば自分が被写体となったときこういうビジュアルが作られるだろうと自分の中でイメージしたりしますか?
K: 「それはあるかもしれないですね。レンズはこのくらいで、この辺だから、こんな感じで写っているのかな、と。クセになっているというか、そういうことを想像するのが好きです。プロデュースしようという感じではないんですけど、自分のことをレンズ越しで見ている、そんな感覚はあるかもしれません」
─── 今回のコンピレーションアルバムでも、カヒミさんの持っているプロデューサーとしてのバランス感覚みたいなものが感じられます。独断と偏見のようだけど、どこかで聞き手を意識しているような…。
K: 「けっこう独断と偏見ですよ(笑)。あくまで自分で面白いと思ったもの。ただ、自分が他人だったらどう思うだろう、というのはよく考えますよ」
─── 今回、『Love Tambourines』を代表とするCRUE-Lの初期、その後“渋谷系”と呼ばれていったジャンルのものと、最近のダンスミュージックやアドバンスドミュージック的なエッジ感があるもの、それらを聞き比べたとき、カヒミさんのCRUE-Lの印象は変わりましたか?
K: 「私は音楽を聴くときにあまり頭で聴かないというか、自分の中で“グッ”と来るか来ないかだけなんですよ。おおくくりな感じで聴く、というか。楽器の種類とか、アコースティックか電子系か、ぜんぜん分けずに選んでいくんです。すべてを音としてまとめてしまう。そんな感じなので、あんまりジャンルの違いを考えたことはないんです。そういう意味で、CRUE-Lは今も昔も本質的なところは変わっていないと思います」
─── そのCRUE-Lの本質ってなんですかね?
K: 「難しいな。……言葉で説明するのは難しいんですけど。なんか胸の真ん中にくるような曲づくり。また、そういう感じの曲を好きな人が楽しみながら作っている。私の個人的な意見ですけど(笑)」
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