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ミュージックシーンとのリンクや、アクリルやガラスビーズでアートワークを覆うという独自の表現方法でコンテンポラリーアートの新たな可能性を示し続けるDzine。多くの若者が敬遠しがちなコンテンポラリーアートにあって、多くの支持を集める彼のクリエイションの源とは?いよいよ開催を迎えた「Dzine ―stealing dreams―」の為、多くの新作を引っさげ来日を果たした彼を直撃。
 
Dzine
1970年、アメリカ・シカゴ生まれ。抽象表現主義やカラーフィールド・ペインティングなど、戦後のアメリカが創り上げてきたペインティングの歴史を継承しつつも、そこに彼独自のストリート感覚を取り入れた新しい形のコンテンポラリーアートを提示。若いアートコレクターを中心に人気を博す新進気鋭のアーティスト。この度、日本では2回目の開催となる個展「Dzine ―stealing dreams―」がスタートをきったばかり
 
  Dzine ―stealing dreams―
場所:SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23
日程:12月9日(土)まで
営業時間:12:00~19:00
休廊日:日、月、祝日
入場料無料
問い合わせ:白石コンテンポラリーアートTel 03-3821-1144
www.scaithebathhouse.com
─── これまでにもミュージックシーンとリンクしたクリエーションを行ってきたと思いますが、今回の個展では藤原ヒロシさんが楽曲を提供するなど、いつになく音楽がテーマになっているのでしょうか?
Dzine (以下:D)
  「僕の父がサルサミュージシャンで、兄はシカゴのハウスミュージックシーンに初期の頃から関わっていたり、小さい頃から音楽と触れ合う機会が多い環境で育ってきました。僕もタンバリンを演ってたりして(笑)。そういう音楽的なバックグラウンドがいつもすぐ側にあったことは確かなのですが、これまではそういう要素を作品の特徴として直接的には使っていませんでした。しかし今回は、自分のペインティング・スタジオにレコーディング・スタジオを作ったりして色んなDJやミュージシャンのトラックを自分のコンピューターに取込んで、まだ完璧に使いこなせていないけどプロツールっていうソフトを使って色々遊んでました。彼等のエッセンスを作品に取り入れて、音楽を意識した作品作りを進めていきたいと思ったので。でも、こういう手法は正直そんなに新しい手法ではないと思います。例えばピカソはジャズにインスパイヤを受けていたし、当然カンディンスキーも音楽に影響を受けていました。ただ僕が彼等と違うところは、自分が直接交流を持てるような人たちと接点を持つ、ということ。同世代の人だったり、自分のライフスタイルに近い人だったり」
─── 作品に音楽的なバックグラウンドを持たせようと思ったきっかけとは?
D: 「美術館とかギャラリーというのは、ほんとうの意味でユースカルチャーを取込んで紹介することができていないと思うんです。実際、僕らの世代の人たちはそういう場へ行って作品を観る、という行為にまだまだ距離がある。ただ僕自身は、藤原ヒロシさんがやっている音楽はアートだと思うし、そういう場で発表されてしかるべきものだと思っている。だって何か実用的な目的のためでも、お金のためでも、マスプロダクションにしようというわけでもなく、純粋に作品として作っていると思うので。他にもDJ CamやGOTAN PROJECTとも良い関係で、影響を受けてて。あと、まだ逢ったことはないけどEメールでやりとりしているCinematic Orchestraも、シカゴでやっている展覧会のためにスペシャルトラックを作ってくれて。そういうコラボレーションで進めていく作品は、自分の作品というより、その人たちへのリスペクトを込めた相手を表す作品になっていきますね」
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