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THINK PIECE

José Parlá

ルーツを強く持ちながら、常に独自の進歩を遂げるホセ・パルラ
かけがえのない場所、日本で描く“Haruichiban”

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photo: Shoichi Kajino text: Tetsuya Suzuki

 

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そういった考え方、スタンスがホセの魅力であり、東京のファッション・シーンの人達とも共有する感覚なのですね。
「その通りです。彼らのことはこれ以上ないくらいに尊敬しています。兄弟のような存在だと思っていますし、本当に感謝しているのです」
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今回のエキシビションはもちろん、これまでも長きに渡って東京と関係を続けてきたホセさんにとって、やはり日本は特別な場所なのでしょうか?
「1996年に初めて訪れて以来、日本は私にとってかけがえのない場所です。世界中の多くのアーティストが東京に訪れていると思いますが、私は東京だけでなく他の地方にも足を運ぶほどです。大阪や名古屋はもちろん、岡山や徳島など様々な県を訪れ、各地域の個性や生活様式を見てきました。私にとって東京はニューヨーク、大阪はキューバに近い印象がありますね(笑)。外国人にとって、東京にしか訪れたことがなければ、東京だけが日本の全てのように感じられますが、私は東京以外の各地域も含めて日本が大好きなのです」

NIPPON, 2013, 152.4 cm x 152.4 cm 

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今回の“Haru Ichiban”の様にこれまでとは異なる作品を作るようになって、さらに違った様式、例えば彫刻や映像などで自身の作品を発表することは考えていますか?
「実は備前焼の曲線からインスピレーションを受けた、セメント製の彫刻を3つ制作していて、既にロンドンのエキシビションに展示してあります。また私のスタジオの床に敷いてあったラグを用いてアートピースを制作したのですが、これには私がペインティング中に飛び散った絵の具が染み込んでいるんです。ロンドンのギャラリーに天井から吊るされて展示されていて、私の他の作品の制作過程で出来上がったもう一つの作品、ペインティングとスカルプチャーのシンフォニーでもあります。また将来的に、私が学生時代に学んでいた現実主義の絵画にも改めて挑戦してみようとも考えています。様々な展望があるのですが、手当り次第に何でもかんでもやるアーティストというのは私のスタイルではないので、ゆっくり勉強しながら取り組んでいきたいですね。ちょうど今ブルックリンに新しいスタジオを建設中なので、今後はそこで新たな挑戦のための準備をしていこうと思っています」

 

José Parlá Exhibition - PROSE

会期:2013年3月21日(木)~5月18日(土)
開廊時間:火~土 11:00~19:00
(日・月・祝日休廊)
会場:YUKA TSURUNO GALLERY(東雲)
東京都江東区東雲2-9-13 2F

[問] YUKA TSURUNO GALLERY
tel: 03-3520-1700
http://yukatsuruno.com/
mail: y@yukatsuruno.com