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THINK PIECE

Florence + the Machine

新世代のミューズ、
Florence Welchにインタビュ―を敢行。

12 7/3 UP

photo: Erina Uemura interview: Matthew Chase

デビューアルバム『LUNGS』が世界的ヒットとなり、グラミー賞新人賞にもノミネートされた
Florence Welchが率いるUK出身のアートロックバンド"Florence and The Machine"。
シンガーのFlorence Welchはファッション界のアイコンでもあり、
Gucciデザイナーのフリーダ・ジャンニーニやCHANELデザイナーのカール・ラガーフェルドとも親交が深い。
そんなFlorence Welchに、"アビー・ロード"で制作された2ndアルバム「Ceremonials」や最近の活動などを聞いた。

 

──
ここ数年はツアーが続いているのですか。
「そう。3年もずっとツアーに出ているの」
──
2ndアルバムはロンドンでレコーディングしたんですよね。
「アビーロードよ。4週間アビーロードスタジオでレコーディングしたんだけど、その後ツアーに出て、1度戻ってからまた曲を書いてレコーディングしたの。“この曲はアビーロードで書かれた”ってなんかかっこよくない?(笑)私はAriel Pink (USのインディーバンド)が大好きで、その中でも特に『Round and Round』という曲が大好きなんだけど、その曲がまさにアビーロードでレコーディングされてるの。その影響もあって次のアルバムはアビーロードで制作したかったのよ」
──
他のアーティストともコラボレーションしていますが、Queens Of The Stone Ageとのコラボはどうでしたか。
「ジョシュ (Queens Of The Stone Ageのシンガー) は、今では私の飲み友達(笑)。彼のことが大好きよ。 13歳の時からずっとQueens Of The Stone Ageの大ファンだったし、彼とのコラボレーションは私の人生のハイポイントでもあるわ。彼と飲んでる時、彼がJohnny Cashの曲を唄ったんだけど、その夜は最高の思い出になったわ」
──
ウィスキーを飲みながらジョシュの唄うJohnny Cashを聴いたのですか。
「テキーラよ!(笑)」
──
他には誰とコラボレーションしたのですか。
「Dizzee Rascal (UKのhip hopアーティスト兼プロデューサー)と『You Got The Dirtee Love』という曲をブリットアワードで演奏したわ」

 

──
Buddy Hollyのトリビュートアルバムにも参加していますよね。
「そう、他にも多くのニューオリンズのミュージシャンと演奏したわ。とてもすばらしかった。ニューオーリンズでは、1週間滞在してBuddy Hollyの『Not Fade Away』という曲の短編映画を撮ったのよ。撮影は墓地で行われたんだけど、服は破れるし、携帯も無くしちゃったの。でもすぐ服も携帯も前より新しい物を手に入れたから、とりあえず良しとするわ(笑)」
──
そのコラボレーションについて、pitchfork(アメリカの有名音楽ウェブサイト)は少し複雑な批評をしていますが、どう思いますか。
「その批評は読んでないから知らないのよ。私は楽しんだし、とても良い経験になったと思ってるわ」

──
ハリウッド映画『スノーホワイト』でも楽曲が使われていましたね。
「映画へ楽曲を提供したことは、すごくすてきな経験だったわ。だってハリウッドだもの。私は曲をLAヘ送って、彼らはそれをオーケストラの演奏と60年代の聖歌隊のようなコーラスを加えて編集したの。私はクラシック音楽のレッスンを受けたことがないし、その作業はハリウッドでなければ出来ないわ。私たちは何層にもなった音を作り出し、そこに聖歌隊の歌声、低音、バリトンが入るのだけど、それはとても圧倒的だった。こんなに壮大な経験はなかなか出来るものではないわ」
──
ロイヤルアルバートホールでのショーはやはり特別でしたか。
「初めてのオーケストラを従えてのショーだったんだけど、すばらしかったわ。でもすごく精神的に疲れる経験だった。バンドなしで、なおかつ短期間しか一緒にプレイしていない人たちとパフォーマンスする事がこんなに精神的に堪えることなんだって初めて分かったわ。ほんとにどうしたら良いのか分からなかったの。特に歌と歌の間とかね」
──
ショーは上手くいったのでしょうか。
「うーん……、すごく緊張してたから上手くいったかどうかは正直分からないわね。ステージから降りて『うまくいった?』って確認したかったわ(笑)。いつも頭にあったのは、『うまくいってるかしら?皆を退屈させてないかしら?どうしたらいいの?』ってことばかり」