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THINK PIECE

Being Borings-Kenji Takimi & Tomoki Kanda

瀧見憲司と神田朋樹による新ユニット「Being Borings」

12 9/12 UP

photo: Shoichi Kajino text: Tetsuya Suzuki

 

──
「サンプリング」という手法で制作することにこだわった部分もある、と。
T
「そうだね。ただ、ヒップホップ的なフレーズ・サンプリングとはかなり意味合いやニュアンスが変わっていると思うけれど。つまり、“編集”と“引用”というスタイルで作られているわけだけれど、それはある種の思想的なものがあったうえでやっている、という感じ」
K
「やっぱり、ミュージシャンが楽器で作るのでは、できないものがあるんですよね。“ここは、あえてコードを合わさない”というようなことってミュージシャンにはない発想ですから(笑)。DJの現場ではウワモノとリズムを別の曲で構成するってよくあるだろうけれど、それを一つの楽曲として作ろうとすると、なにか間違っているように聞こえがちなので」

──
DJ的な楽曲の作り方、あるいはサンプリングという手法への、こだわりというか、ある種の思想性から生まれたとしても、やはり、Being Boringsには、どこか「ポップ」を感じるのですが。
T
「そこは、DJとしても意識しているし、決して難しい音楽をやっているわけではないから。今のダンス・ミュージックって、フォーマット化されたビートとBPMによってジャンルが形成されていたり、細分化された各々のシーンにおける文脈がわからないと理解できなかったりするわけだけれど、自分たちは、そのなかでの順位争いに参加しているわけではないから。そもそもさっき挙げたMassiveAttackにしても、当時最初にシングルを聴いたときは、それがどのように作られているかとか、全くわからなかったから。あとから曲の構造的な成り立ちを知って驚いたわけであって。このアルバムもそんな風に、普通に聴いて気に入ってもらえて、聴きこむうちに曲を構成しているものがだんだんわかってくるようなものになっていって欲しいですね。J.G.バラード読んでる時にハッとしたりとか(笑)」

 

Being Borings (Kenji Takimi and Tomoki Kanda)
debut album "Esprit"

1. E-Girls on B-Movie
2. Love House of Love
3. lollol
4. Some are Here and Some are Missing
5. Skytree
6. Somewhere
7. After Post Modern
8. HF Complex
9. Discocainism Weekender
10. The Cult of Elegance feat. Eddie C

KYTHMAK145DA/10Tracks CD Album
JAN 4535939145003

2012年9月14日発売