honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

ミュールバウアー×NIGO®

伝統の継承とアップデート。老舗ブランド、ミュールバウアーの魅力。

11 10/17 UP

photo:Kentaro Matsumoto text:honeyee.com

──
クラウスさんはトランクショーなどで毎年来日されていますが、日本人のファッションについてはどのような印象がありますか?
K
「日本人のスタイリングはヨーロッパやアメリカの人とは全く違うので、来日する度に驚かされますね。ハットや小物も上手にコーディネートに取り入れていて、それぞれのスタイルを持った人がとても多いという印象です」
N
「最近、ハットを被る人が本当に増えましたよね。キャップの方が見なくなったくらい。僕も最近はハット率が高いです」
K
「そうなんですか? それは何故?」
N
「単純にトレンド、という部分もあるのでしょうが、僕としては完全にミュールバウアーのハットと出会ったのがきっかけです。ここまでカジュアルに被れるハットって他にはないですよ」

K
「それはとても光栄ですね。大げさで華美なものというよりは、より日常的に、ナチュラルに被れるハット作りを心がけているので、その感想はすごく嬉しいです」
N
「その思いはすごく表れていると思いますよ。気がついたら30個以上持っていたし、ほぼ毎日被っていますからね」
──
自然と毎日被りたくなる、というのもハンドメイドならではなのかもしれませんね。
N
「そうですね。僕が持っている物の中から一点ずつ説明していただいたんですが、ミュールバウアーの物作りのすごさを改めて実感しました」
K
「NIGO®が持っていたモデルの中の一つには、イタリアの卸屋で仕入れた素材を使用したものがありましたね。あの素材はもう生産しなくなってしまって、世界中どこを探しても手に入れることができなくなってしまったんです。だからあれは本当の意味でのオンリーワンで、特別なハットなんですよ」

 

N
「素材選びから本当に厳選しているし、柔らかいシルエットを表現するためにワイヤーが入れられていたり、細部のディテールにまでこだわり抜かれていますよね」
K
「素材選びはハットを形作る上で最も重要なプロセスの一つですからね。世界中を旅して、自分が良いと思えたものだけを使うようにしています」
N
「コレクションの中だと、ターバン風のハットが良かったです。ちょうどカレー屋もプロデュースしていますし(笑)」
K
「あれはアフガニスタン戦争のニュース映像で映し出されたタリバンの人々からインスパイアされて作られたものなんです。私は政治的なことはよく分からないのですが、映像の中でターバンを纏った人たちがとてもクールに見えたんです。タイトルは皮肉の意を込めて、”ジョージ”とつけました(笑)」
N
「ミュールバウアーの帽子って、ひとつひとつ名前が付けられているのも面白いですよね」
K
「アトリエでスタッフと話をする時に品番で呼ぶよりも分かりやすいんですよ。ちなみに、ブラッド・ピットが被ったモデルは”ブラッド”と名付けました(笑)」
──
気が早いかもしれませんが、これほどNIGO®さんのミュールバウアーへの入れ込みぶりを見せられてしまうと、今後のお二人の取り組みを期待してしまいます。
N
「恐れ多いですが(笑)」
K
「是非。今後、何か一緒にできたらいいですね」

 

MÜHLBAUER

[問] アッシュ・ペー・フランス
tel: 03-5778-2022
http://www.hpfrance.com/