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THINK PIECE

IT MIGHT GET LOUD

大久保篤志×北村信彦×滝沢伸介
3人のクリエーターが語る映画『ゲット・ラウド』

11 9/9 UP

photo:Shoici Kajino text:Shun Inoue

K
「じゃあ、ジミー・ペイジが使っていたようなダブルネックにすればいいんじゃない。しかもギターとベースのダブルネック(笑)。それステージで演奏したら、かなりインパクトあると思うな」
T
「実はそれ、e-bayで見つけました(笑)。これならギターも弾けるなって思って。購入するか迷ってたけど、やっぱり買おうかな……」
O
「それかKISSのジミー・シモンズが昔使っていた、オノの形のベースにすれば(笑)。あれならステージで視線釘付けだよ」
──
映画に話を戻しますと、クライマックスでのセッションは圧巻でした。まさにこの映画ならではな共演でしたね。しかも、『エレキギターを語る』目的で集まったのに、結局最後にはアコースティックギターを使っているのも印象的でした(笑)。
O
「エンディングはアコギだよ(笑)。選んだ曲も意外だった。だってザ・バンドの『ザ・ウェイト』だよ。3人まったく関係ない(笑)」
K
「見ていると、ジミー・ペイジが二人に教えているよね。なんかその関係性も、音楽で通じ合っている感じがする」
T
「しかも最初にコード間違えていましたよね(笑)。それも含めて、素晴らしいセッションでしたね」

──
この映画を見ていると、ミュージシャンって選ばれた人間がなる職業だったんだなと感じます。現代を否定するわけではないですが、今はわりと"普通"な子でもなれちゃう時代です。この3人にはバックボーンがあって、伝えたいものも明確な気がします。
K
「特に70年代はレベルが高かったと思うな。色々なジャンルでそういう人たちがたくさんいたし、やっぱりなるべく人がなっているんだと思う。ロン・ウッドとキース・リチャーズの関係みたいに(笑)。結局ルーツを辿っていくと、同じような音楽聴いているんだよね」
O
「本来ミュージシャンなんて音楽のことしか考えてない生き物なんだよ。ジミー・ペイジなんて、もう67歳でしょ!? いまだに昔の音楽を聴いて、あんなに楽しそうな顔をしていたからね」
T
「学生みたいでしたよね(笑)」
──
最後に映画の感想を聞かせて下さい。
T
「スゴくよく出来た映画でしたね。取材も入念に行われていて、過去の映像とともに見る時代背景も明確で分かりやすかった。3人のことをあまり知らない人もタメになるし、興味がわいてくる内容だったと思います。パンクロックみたいにテクニックじゃない部分もたくさんあって、『ギターやってみたい』って衝動に駆り立てられるような、そんな作品だった気がします」

 

K
「僕的には、ジミー・ペイジとジャック・ホワイト、ジ・エッジが一緒になるチャンスを与えたっていう、企画そのものがまずありがたくて。自分たちが影響を受けた背景とかを話してくれたのも、ワクワクさせられたな。特にジミー・ペイジなんて、普段からメディアの露出もほとんどないし、ああいう話は本当に貴重。音楽ドキュメンタリーは数多くあるけれど、こういった角度でミュージシャンをフォーカスしているのも新鮮だったし、ギター対談も面白かった」
O
「海外で発売された時(2009年)に、たまたまLAのアメリカンラグ シーに行ったらコレのDVDを見つけて。表紙のジミー・ペイジとジャック・ホワイト、ジ・エッジの3人が並んだ写真が強烈でスゴく欲しかったんだけど、アメリカと日本はリュージョンコードが違うから諦めたんだよね。そしたら最近になって日本で上映するって聞いて、今回の企画に参加したんだ。何よりもまず組み合わせがありえない。この3人が共演していることが奇跡だと思う。あと、このファッションの世界に入るキッカケになったのが、ジミー・ペイジだったっていうのも大きい。ガキの頃ロックが好きで、ジミー・ペイジ大好きで。さっきも言った通り、ジミー・ペイジが昔着ていたスタイルに憧れて、この世界に入ったから、そのジミー・ペイジの過去と現在が見られるのは本当に嬉しかった。ジャック・ホワイトも大ファン。ホワイト・ストライプスもデッド・ウェザーのライブも行ったけど、彼のライブで感じたことは、彼は現代版のツェッペンリンをやろうとしているんだなって。そんな彼がサンハウスが好きで、やっぱりみんなブルースが根底にあるんだって、再確認させてくれたのもこの映画。良い勉強させてもらいました」
──
やっぱり見るなら映画館ですかね。
O
「映画館で見なきゃダメだと思う。映画館の大音量で聴いてこそ、この作品がさらに良くなるよ」
K
「最初のシーンからパンチがあるから、すぐに引き込まれるはず」
T
「一度見た僕らでも、改めて行きたいぐらいです」

 

『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、
ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』

エレクトリックギターの3世代のスーパースター ──U2のジ・エッジ、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、ザ・ラカンターズ&デッド・ウェザーのジャック・ホワイト──が、自分たちの言葉で、自らの全てを初めて語る。いかに愛する楽器を手に入れ、いかに独自のサウンドやスタイルを築き、いかに栄光を勝ち取ったのか。ペイジはロンドン、エッジはダブリン、ジャックはナッシュビルとそれぞれのルーツを訪れ、伝説の始まりを明かし、貴重な過去映像が3人のギタリストの光と影を浮かび上がらせる。一方で、"ロック・サミット"の準備が進められる。空っぽのステージに3人が初めて集い、ギターについて熱く語り合い、曲を教えあい、一夜限りの奇跡のジャム・セッションへ!

監督:デイヴィス・グッゲンハイム
出演:ジ・エッジ/ジミー・ペイジ/ジャック・ホワイト
製作年 : 2008年
製作国 : アメリカ
上映時間 : 98分
配給 : アスミック・エース
9月9日(金)より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他
全国ロードショー!
http://getloud.asmik-ace.co.jp/

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