The Elder Statesman
ラグジュアリーという言葉が
マーケティングやブランディングに操られる時代は終わったと思う
11 10/19 UP
text:Jun Namekata

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- こういったニットウエアはともすると野暮ったくもなりがちだと思うんです。でも実際袖を通してみてもそんな印象は受けないし、モダンなイメージさえある。なにか工夫があるのかと思ったのですが。
- 「それはきっとあなたの捉え方だよ。逆にこのコレクションを見てクラシカルな印象を受ける人もきっといるでしょう。さっきも言いましたが、それぞれの解釈で良いんです。頭からつま先までゴシックな服に身を包んだ凄く若いお客もいれば、もっと年配のクラシックな雰囲気のお客様もいて、彼から同じピースをそれぞれの思うように着てくれているというのが<The Elder Statesman>。でもそれはとても自然な事。僕自身、なにかものを買うときというのは、本当にパーソナルな理由で良いと感じるからこそ買うのであって、広告に影響される事は一切ない。自分がそうであるように、皆さんにもそうあってほしいし、このブランドの性格ももともとそういうものなんだと思う。“ラグジュアリー”なんていう言葉はとっくに使い古されている感があるけれど、マーケティングとかブランディングに操られた“ラグジュアリー”を追いかける時代はもう終わった。僕はもっと、個々の内面やエモーションに働きかける、原点に立ち返ったラグジュアリーを創り出したいんだ」