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Towa Tei
1990年、"ディー・ライト"のメンバーとして米エレクトラよりデビュー。
1994年『Future Listening!』でソロ・デビュー。2007年、DJとして20周年を迎え、4月より全20回に及ぶツアーを敢行中。
またhug Columbiaを立ち上げ、その第一弾として1st. Album『Future Listening!』の新規リミックスや未発表音源を含むリマスター盤を2枚組にて4/18にリリース。TVシリーズ"24"メインテーマのリミックスを日米欧を代表する3組のアーティストの1人として担当、近日iTunes全世界22か国にて限定リリースされる。また4/25発売となる「細野晴臣トリビュート」にテイ・トウワ+ナチュラルカラミティーとして「ハニー・ムーン」で参加。また6/2に公開となる松本人志第一回監督作品「大日本人」の映画音楽プロデュースを手掛けた。
http://www.towatei.com
http://www.myspace.com/towatei
 
2007年、テイ・トウワが遂に本格的に動き始める。まず、手始めに94年にリリースされたファースト・ソロ『Future Listening!』を豪華2枚組エディションとして、自身の新レーベルhug Columbiaから再発。続いて、同レーベルからテイが選曲するコンピレーションシリーズの第5弾『MOTIVATION FIVE compiled by DJ TOWA TEI』をリリース。加えて、映画のサウンドトラック、Ayuse Kozueのシングルプロデュースと数年ぶりに活発な動きを見せる予定だ。とはいえ、もちろんテイ・トウワは常に時代とともに進化しつづけてきた。そして常に時代の変化を見極め独自のポジションをキープしつづけ“タイムレス”な作品を世に送り続けてきた。事実、94年リリースの『Future Listening!』は2007年の現在、決して色褪せること無く輝きを保っている。『Future Listening!』の“FUTURE”とは、“最先端”であることを婉曲に言い換えたのではなく、決して追いつくことがでない“永遠の未来”なのだ。
 
そこで、テイさんに質問です。
 
現在、あなたが感じる“FUTURE”とは、何ですか?
 
 
それは絆ということです



『今、“FUTURE”なものは何か?』ってことだけれど、それでいうなら、むしろ、現在失われつつあるものが気になりますね。そして、それを保ち続けている人や作品が自分にとって重要になっている気がする。それを僕なりの気分で言い切っちゃうと「粋」ってことなんですよ。逆に言うと今、「粋」なものがどんどん無くなってきていると思ってるんです。どこが“FUTURE”なんだってハナシだけどね(笑)。


とにかく、粋じゃないこと、つまり「無粋」なことはしないって人たちのことが、気になる。で、代表は細野(晴臣)さんや横尾(忠則)さん。で、細野さんのエピソードなんですけれど、「自分は食事をするのに店の予約なんてしない」ってエッセイに書いてる。「その日に何が食べたくなるかなんて前もってわかるか」っていうんだけど、確かに粋な考えだな、って思いますよね」
 
「メディアがライフスタイルを巡る状況を変えてしまったって部分があると思うんです。それこそネット上での情報過多により、なにかバランスの悪いスタイルがもてはやされている気がするんです。インターネットによって誰もが発信できる時代、だれでもデビューできる時代。それが良い悪いという以前に、こういうメディア状況じゃなかった頃に、自分の考えを世に発信した人たち、発言権を得ることができた人たちっていうのは、いわゆるブロガーにはない、強さを感じますよね。そのなかでも個性的だった人、例えば、池波正太郎さんの本なんか、ただ、「何を食った、家人になんとか作らせた」とかばっかりだけれど、ついつい読んじゃうし、やっぱり、面白いんですよね(笑)。細野さんや横尾さんのエッセイにも同じような強さと面白さを感じます。ましてや、この2人はそれぞれ音楽、絵画の人なのに文章も上手いというのが、本当に凄いな、と。で、やっぱり、言ってることは何てことないんだけれど、読むとやっぱり“ポン”と飛ばされる。僕が子供の頃の東京にふっと戻されたりね。つまり、自分の内側にアクセスできるメディア、しかもスタンドアローンでそれだけで完結するもの、という意味で今こそ“本”を必要としてるのかもしれませんね。植草甚一さんの本とかそういう感じがします。植草さんの本って、要は個人的な趣味や偏愛の固まりじゃないですか。でも、それが良いんですよね。そういうアーカイブとしての本がいい」

 
 
  FUTURE Books
「『メシ食うのに予約なんかできるか』って“粋”ですよね。もっとも、細野さんが好きなものがハンバーグとかだから予約いらないんじゃないかってハナシも(笑)。植草さんの本は自分の日常や興味・関心をコラージュするという感じがいい。この人もやっぱり“粋”です」
 
  [写真1]『細野晴臣・著』
アンビエントドライヴァー

[写真2]『横尾忠則・著』
横尾忠則日記 一米七〇糎のブルース [左]、インドへ [右]

[写真3]『池波正太郎』
よいにおいのする一夜 [左]、京都大阪のうまいもの [右]

[写真4]『植草甚一』
スタイル [左]、僕のニューヨーク地図ができるまで [中央]、ワンダーランド [右]
 

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