世界のファッションマーケットを舞台に活躍する<マスターマインド・ジャパン>のランウェイショーが、東京ファッションウィークの一貫として11/7聖徳記念絵画前TOKIWAテントにて行われた。
現在、マスターマインドは、世界中からバイヤーやプレスを集められることなどを理由に、パリでの展示会形式で新作発表を行っているのだが、今回、数年ぶりに東京コレクションに参加するにあたって、デザイナーの本間正章はその経緯をこう語る。
『東コレを主催するCFDTから、今回から運営方針を変えて、世界のプレスやバイヤーに注目されるようなイベントを目指したいというご相談をいただいて…。当初は僕らが参加するのがどうとかという話ではありませんでしたが、東コレの厳しい現状を考えると、少しでもなにかが変わるキッカケになればということで、今回参加することになったんです。そして、これが東京での最後のショーになると思うので、従来のプレタポルテのやり方ではなく、普段うちの服を買ってくださるお客様に喜んでいただける内容を意識しました。それが僕にとってなによりも重要なことなので(笑)』
この話を前提にショーをひも解いていくと、全3部で構成された意図が明確になってくる。スタイリングの担当は北原哲夫。
第1部は、過去の代表作でのルックを披露。爆発的にヒットしたスカジャンをはじめ、マスターマインドのアイデンティティを改めて、そして、強烈にアピールした。続いての第2部は、これまでのコラボレートアイテムが一挙に登場。モデルには、藤原ヒロシ、visvimの中村ヒロキといったクリエイターから、氣志團の綾小路翔、EXILE、槇原敬之、百瀬博教、といったマスターマインドの物作りにパートナーとして携わる、さまざまなジャンルのセレブリティが多数出演した。第3部は注目の2006S/Sの新作。これまでにないリラックスしたムードを作り、ブランドの新たな一面をのぞかせた。
また、FPM=田中知之によるショーのBGMも特筆すべきだろう。クイーンをはじめ、誰もが聞き覚えのあるロックの名曲のレアなリミックス、マッシュアップ・バージョンをライブでMIXした田中のDJは、深淵なテーマ性や理屈っぽいコンセプトではなく、目の前にあるリアリティを優先した今回のショーの持つ空気を的確に表現していた。とにもかくにも、〈マスターマインド・ジャパン〉というブランドの持つ、勢いと迫力を存分に示したショーであった。 |