honeyee.com ｜Web Magazine「ハニカム」

NYのダウンタウン出身、ナーディーとスタイリッシュの間を行く絶妙な佇まいがクールなザ・ヴァージンズが、いよいよ日本でもデビュー。デビューアルバム自体の発表は昨年で、すでに輸入盤が発売されているが、このたび発売となる日本盤ではボーナストラックとして、EP『The Virgins '07』の音源5曲、そしてビデオクリップも2曲収録されており、これらのトラックでは、彼らのローファイで荒削りな魅力も楽しめる。

アルバムを通して、70～80年代のニューウェーヴやディスコサウンドを彷彿とさせるファンキーでキャッチーなトラックが並ぶ。しかし、憧憬とノスタルジアに終始せずに今現在のリアリティも滲み出ており、彼らが優れたエディット感覚とバランス感を持ちあわせているのがわかる。

バンド結成のきっかけとなった、ボーカルのドナルドとギターのウェイドの出会いは、フォトグラファーのライアン・マッギンリーのモデルをつとめた撮影でのこと。その後は、バンドとしてたった3回目のライブでパティ・スミスのオープニングアクトに抜擢、デビューEPをaNYthingからリリース、名だたるファッション・カルチャー誌での特集など、その存在感・人脈にまつわるトピックに事欠かないことからも、世界的な注目度の高さが窺える。

なお、同じくNYを拠点とするアーティストのダン・コレン、そしてテリー・リチャードソンらが手がけたアートワークも、バンドの世界観を伝える上で一役買っている。すでにフジロック'09への参戦も決まっており、今後もザ・ヴァージンズの動向から目が離せない。

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