CAZALS
タイトなプレイとカリスマティックな存在感でオーディエンスを魅了、カザルス待望の単独アクト
08 6/17 UPDATE
デビューアルバム『What of Our Future』をリリースしたばかりのCazalsが初の単独公演のため来日した。“ピート・ドハーティとは旧友で、ヴォーカルのフィルはエディ・スリマンのディオール オムのショーでモデルもつとめ…”と、彼らについて語られる多くネームドロップはすでに語り尽くされているようにも思うが、さらには昨年12月、幕張、神戸でのDaft Punkのフロントアクトとしても堂々とライヴをを披露し、早い時間にも関わらずオーディエンスを魅了していた彼らだけに期待は集まる。
ライヴメンバーとして加わったキーボードのベンを含めて計6人のボーイズ・フロム・ロンドンが代官山UNITのステージ所狭しと並ぶ。一足おくれてヴォーカリストのフィルが登場し歓声が上がる。断言を許されるならこのバンドの魅力の半分以上はこのフロントマン、フィルの存在感にあるといっていい。イタリアン・ジゴロのようなちょびヒゲに、さらりと揺れるブロンドのストレートヘア、そのセクシーでユニークな風貌は、かつてエディを魅了したのもうなずける。横向きにセットされたドラムによって力強く刻まれるドラムに2本のギターが絡む。そしてフィルのハスキーなヴォーカルと、マイクコードを絡ませながらスーパー・スキニーな体をくねらせるパフォーマンスはオーディエンスを惹き付けてやまない。若いながらもどこか貫禄さえ感じさせるフィルのカリスマティックな存在感が光るステージ。
初期からのレパートリーである「New Boy In Town」「Life Is Boring」などを皮切りにスパンダー・バレエのカヴァー「To Cut A Long Story Short」や彼らを一躍有名にした「Poor Innocent Boys」など、アンコールを含めジャスト60分とタイトなセットリストながら、彼らの魅力を満喫する夜であった。
Photo & Text:Shoichi Kajino
『What of Our Future』
Cazals
(TRAFFIC)
2,100円 [税込]
発売中