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昨今の「コンセプチュアルなカバー集」ブーム(?)のオリジネイターである、アトムハートのエレクトロニック・ラテン・バンド、“セニョール・ココナッツ”がニューアルバムをリリース。

前作ではYMO、その前の前のアルバムではクラフトワークのカバーで１枚作ってしまったことからも分かるように、エレクトロニック・ミュージックとラテンの融合というか、ラテンカバーによるイメージの落差というかが、セニョール・ココナッツの持ち味であり、得意技であるということは、もはや言うまでもない。

その意味では、今回も期待を裏切っておらず、タイトル曲となっている『Around The World』は、もちろんダフトパンクのカバー。他にもユーリズミックス、イエローといった有名どころから、テレックス、トリオといった渋めのバンドまでテクノポップ～ニューウェーブの名曲をいつもの調子で猥雑＆ユーモラスにカバー。ならば、テクノポップのオマージュ集なのかと言えば、プリンスやレス・バクスター、果てはジョビンまでカバーしているのでそういうわけでもないような……。つまるところタイトル通り“世界中の音楽”をカバーした、というところか。

というわけで、今年の夏もあちらこちらで耳にするであろうトラック満載。また、あのビッグバンドでのライブ、観たいですね……。

Text:Tetsuya Suzuki