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猪野秀史、小島大介、藤原ヒロシによる“バンド”、IDFがついにアルバム『Live@F.I.L.』をリリースする。このアルバムはタイトルが示す通り、昨年の夏、visvimのショップであるF.I.L.TOKYOのオープン１周年パーティで行なわれたライブを収録。『My Ever Changing Moods』『Every Breath You Take』『Waiting In Vain』『La Isla Bonita』といった名曲をナチュラルかイノセントにカバーした楽曲群は演奏する側、そしてそれを聴く側が「ともに音楽の楽しみを分かち合う」ことの喜びに満ちている。

彼らの音楽は大袈裟な煽り文句や作品を正統化するためのキャッチコピーをまったくもって必要としないものではあるのだが、IDFの純粋に音楽を奏で、楽しもうとする、その姿勢をあえて言葉で表現しようとするなら、ミュージックビジネスの利権構造を拒否し、アマチュアリズムを保持したまま、よりシンプルで率直な表現を目指したパンク・ムーブメントに重なる、と言うこともできるかもしれない。無論、そんな理屈はIDFにとっても、リスナーにとっても大きなお世話なのだろうが……。

CDリリースは来月の予定だが、それに先立ち本日からiTunesで配信開始。一切の偏見を持たずに聴いてみて欲しい。

Text:Tetsuya Suzuki