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音楽への純粋な想いを多様かつ、高度な音楽性をもって表現する音楽の求道者、猪野秀史。マイケル・ジャクソン『BILLY JEAN』、ビル・ウィザース『JUST THE TWO OF US』などの名曲を、優美で、洗練されたサウンドへと昇華したインスト・アルバム『SATISFACTION』や、オリジナル楽曲でコンポーザー／プロデューサーとしての才覚を発揮したミニ・アルバム『THE FORCE OF EXOTIC』のリリース以降、ラウンジ・リスナーからダンス・ミュージック・ファンまで、幅広い層の音楽ファンからの支持を着実に獲得してきた。

そんな耳の肥えた音楽ファンからの熱い注目と期待を集める彼の、昨年3月、恵比寿リキッドルームにて行われたライブがこのたびDVD化された。

アルバム『SATISFACTION』のサウンドから感じられるクールな印象とは一味異なり、今作では、猪野秀史の内に秘められた音楽への真摯な姿勢が、自身の代名詞ともいえるフェンダーローズや、ヴィヴラフォンなど通じて解き放たれ、そこから生み出される熱気を帯びたグルーヴィーかつ、パワフルなサウンドが超満員となったフロアの観客を包み込む様子が映し出される。

さらに、藤原ヒロシをゲストに迎え披露された、ボブ・マーリー『WAITING IN VAIN』、カルチャー・クラブ『DO YOU REALLY WANT TO HURT ME』の模様も収録され、通常のバンド編成とは異なる、猪野秀史の多彩な表情も見どころのひとつ。

常に良い意味での緊張感を保つため、そして二度と体験することのできない空間を演出するため、毎回そのアレンジに変化が加わる猪野秀史のライブ。猪野自身も「生涯忘れられないライブのひとつ」と語るほどの貴重な時間、そしてロマンチックな雰囲気に浸ることができる作品である。

Text:honeyee.com