honeyee.com ｜Web Magazine「ハニカム」

80年代のロンドンで活躍したクリエイティブ集団、BUFFALO。今は亡き伝説のスタイリスト、レイ・ペトリを中心に組織されたBUFFALOクルーが発表したファッション写真集『BUFFALO』は、既成概念に囚われない自由な発想を武器に、革新的なファッションスタイルを世に打ち出した。その『BUFFALO』の発表から25周年となる今年、ビューティ&ユース、ミュージアム ニューが『BUFFALO』に捧げるオマージュとして、写真集の作品をモチーフとしたTシャツコレクションを発表する。そのBUFFALOとビューティ&ユース、ミュージアム ニューによるのコラボレーションを記念し、来日を果たしたBUFFALOクルーのオリジナルメンバー、バリー・ケーマンが振り返るBUFFALOのクリエイションとは。

「スタイリストのレイ・ペトリを中心に組織されたBUFFALOクルーは80年代ロンドンの形式化したファッションシーンに革新を起こしました。『BUFFALO』の写真集では、スタイリングを行う際に、ハイブランドのアイテムとスポーツウェア、作業着などをミックスしました。色々なアイテムをミックスするスタイルは、現在では当たり前のものですけど、当時としてはとても革新的なものだったんです。また、モデルには、プロのモデルではなく、街を行く素人の男の子や子供、プロボクシングのチャンピオンなど『リアル』な人物を起用しました。『BUFFALO』のポイントは『ファッション以外のものを引用し、ファッションを表現した』ところにあります。普通のファッションフォトではまず使用しないアイテムをスタイリングに取り入れたこともそうですし、例えば写真集の表紙、そして今回発売されるTシャツにも使われた小さな男の子の写真があるのですが、何かを物語るような男の子の表情などを含め『ファッション』を表現しているわけです。表層的な服のスタイリングやモデルのポーズではなく、"State of Mind"、心の在り方やアティチュードがBUFFALOでは大事とされていたんです。後のファッションシーンに影響を与える写真集を作れたこと、またビューティ&ユース、ミュージアム ニューがこうしてBUFFALOをリスペクトしてくれたことを喜ばしく思います」

Text:honeyee.com
Photo:Masaki Sato