Rick Owens
次なるベクトルへと歩を進める、
スペシャリティなレザーアイテム。
10 1/28 UPDATE
今季のメンズファッションは、より顕著にハイファッションとストリートカルチャーがクロスオーバーしている傾向が強いが、これをトレンドではなく、あくまでもスタイルの一環として以前から取り組んでいるファッションデザイナーも大勢いる。なかでも郡を抜いて完成されているのがリック オウエンスのクリエイションであろう。
彼が生まれ育ったLAのカルチャー、パタンナーとして培ってきた立体形成の技術、こよなく愛するファインアート、現在の拠点であるパリのエレガンスなどの多彩なエレメンツによって紡がれるジャンルレスなスタイルは、いついかなる時も独自のムードを醸し出している。
2010S/Sメンズコレクションに登場したレザーベストやブルゾンらは、それを明確に象徴するキーアイテムである。異素材のコンビネーション、独創的なパターンなどなど、その構図に一切のブレがなく、技術力と想像力のバランスが非常に高いレベルでまとまっている。
そうした要因から、これらのレザーアイテムはコンスタントに高い人気をキープし、リック・オウエンスの創作は、次のベクトルに向かい着実に歩を進めている。
Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato