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アーティスティック・ディレクターのリカルド・ティッシが描く鮮烈な世界観が話題を振りまくジバンシィのメンズコレクション。その模様は、オートクチュールで培った技術、ストリートファッションの流儀、セクシャリティとセンシュアリティ、ティッシの母国イタリアの文化などなど、多彩なエッセンスが有機的に交わり構成されている。

2010s/sのコレクションでは「スター」をモチーフに掲げ、分かりやすすぎるほどストレートに多数のアイテムにそれぞれに適した技術を用いて取り付けている。それと同時に「ロック・ミュージシャン」というイメージ像も設けられ、それがあるためか、パンキッシュなニュアンスが強く、アクセサリー類はその傾向がより顕著である。

こちらに並ぶベルトとキャップは、ランウェイでのゴールドの仕様と異なる、伊勢丹新宿店での限定アイテムとなる、ガンメタルスタッズバージョン。早くも人気と呼び声が高いスタッズが散りばめられたバックパックと同様に、ハードな印象とともに、コーディネイトにおける汎用性を持ち合わせている。

このジバンシィやランバンを例に、ここ数シーズン、かつてないほどハイファッションとストリートカルチャーが近接し、新たなメンズファッションの理想像を創出しはじめている。確かなクオリティにシルエット、デイリーユースにも対応できる実用性、象徴性の高いモチーフやエレメントなど、互いが求め合い、それぞれの長所が重なりクロスオーバーすることで、これまで成し得なかったレベルや新しいヴィジョンが徐々に見えはじめている。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato